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人気機種の後継モデル『MX Master 2S』も! ロジクール新マウスがすごい 第3回

自動切り替え&コピペが本当に便利、ロジクール新型マウスに搭載された“Flow”がヤバい

2017年06月15日 11時00分更新

文● 宮里圭介 編集●ジサトラショータ

提供: ロジクール

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Flowの基本機能を試してみよう

 PCの自動切り替えがうまくいったところで、今度はクリップボードの共有機能を試してみる。試すといってもやり方は簡単で、片方のPCでコピーしたものが、別のPCで貼り付けられるかを確認するだけだ。たとえば、イチイチ入力するのが面倒なURLを例に試してみよう。まず『ASCII.jp』のサイトを開き、URLをコピー。別のPCのメモ帳へと貼り付けてみた結果、以下のようになった。

まずはURL部分を範囲指定し、右クリックからコピーを選択。これでクリップボードへテキストがコピーされた。

別のPCへと切り替え、メモ帳を起動。貼り付けてみると、先ほどコピーしたテキストがしっかり共有されていた。

 このように、目コピー&手打ちでは入力ミスしやすい文字列も、しっかりと貼り付けられた。もちろんテキストだけでなく画像にも対応するので、手元のPCで切り抜いた画像を別のPCに貼り付ける、なんてこともできる。

 さらに実用的といえるのが、ファイルのコピーだろう。1つずつではなく複数のファイルをまとめてコピーできることもあり、今までUSBメモリーでチマチマ移動していたという人なら、この便利さがよくわかるはずだ。ファイルサイズは基本的に上限はないようで、4GB超のファイルで試してみたが、何の問題もなくコピーできた。ただし、ファイルのコピーはLAN経由となるため、サイズが大きくなるほど時間はかかる。

約4.2GBのファイルで試したところ、無線LANの調子が悪かったこともあり、40分という予想時間に……。いくら便利でも、あまりに大きなサイズはコピーしない方が無難だ。

設定の変更でFlowをより便利に快適に使う

 複数のPC操作を自動で切り替え、クリップボードの共有もできるというFlowのメリットは十分わかってもらえたと思うが、実際に使ってみると、ちょっと困ったシーンに遭遇することがある。それは、“画面の端にマウスポインターを動かすと、別のPCへ自動で接続が切り替わってしまう”ことだ。「そういう機能なのに何をいってるんだ」といわれそうだが、ちょっと考えてみて欲しい。実際の操作では、こうした機能が操作の妨げになるシーンもないわけではない。

 たとえば、デスクトップにあるファイルを片付けようと、左ボタンのドラッグでファイルを範囲指定している場合。そんな作業を画面の端に近い部分で行っていると、ポインターを動かしすぎれば範囲指定中にもかかわらずマウスの接続が別PCへと切り替わってしまうわけである。これはちょっと特殊だとしても、マウスを机の端に移動させただけで接続が別PCに切り替わった、というような事態は容易に想像できる。とはいえ実はこのFlow、こういった意図しない操作が頻繁に起こらないよう、設定を変更しておけるのだ。

 設定項目は4つ。先程の例のように、意図しない切り替えを防ぎたいなら『コンピュータ間で切り替え』の設定を変更しよう。デフォルトでは単純にポインターが端に移動した場合に別PCへ切り替えるという設定になっているが、これを“Ctrlを押しながら端へ移動”に変更することで、キーボードも組み合わせなければ切り替わらないようにできる。とくに画面端での操作が多い人にオススメの設定だ。

ポインターを画面端に移動するだけでなく、キーボードのCtrlキーを押してなければ切り替わらないようになる。画面端での誤作動で悩んでいる人にオススメだ。

 基本的には切り替えて欲しいけど、画面の4隅に近い場所での操作では切り替えてほしくないという場合なら、『画面の隅』設定の変更をしておこう。この項目を“無効”としておけば、画面の4隅で切り替わることがなくなる。スタートボタンの操作、ウィンドウの閉じるボタンのクリックなどで切り替わってほしくないなら活用したい。

スタートボタンを押したつもりがPCが切り替わっていた……といった不幸をなくせるのがこの設定。画面の隅は意外と操作で使う部分なので、無効にしておくのが無難だ。

 Flowの特徴でもあるクリップボードの共有だが、下手に共有されたくない場合もある。『コピー&貼り付け』を“無効”にすることで、この機能を使えないように変更可能だ。あまり設定することはないと思うが、メインPCで仕事、サブPCでSNSなどを使うといった風に使い分けている場合、下手にコピペしてしまうと仕事の情報を意図せず漏えいしてしまう危険がある。PCごとに役割を変えているのであれば、無効にしておくほうが無難だろう。

仕事用と趣味用、といったようにPCを明確に分けているなら、クリップボードは共有しない方がいい。『コピー貼り付け』を無効にしておこう。

 Flowの設定のメインとなるのは以上3つなのだが、実はもう1つある。それが『リンクキーワード』というもの。通常グレーアウトしているうえ、名前からどんな機能なのか想像しづらいのだが、実はこれ、Flowに対応したキーボードとの連動機能の設定となる。

 MX Master 2Sがいくら自動でPCを切り替えられるといっても、できることはポインターの操作だけ。PCの操作にはキーボードも必要となるため、結局そのままではキーボードが複数必要となってしまう。この弱点を克服してくれるのが、この『リンクキーワード』という設定だ。おそらく『リンクキーボード』の誤訳ではないかと思われるが、バージョン6.60.570ではこの表記となっているのでそのまま呼ぶことにしよう。

 この機能を使うには、Flowおよびマルチデバイス利用に対応したキーボードが必要だ。現在対応しているキーボードは、ロジクールの『K780』『K380』『K370s/K375s』の3製品。このうち『K380』を使って実際に試してみよう。

対応キーボードを使えば、マウスだけでなくキーボードも自動切り替えに

 設定といってもFlowの設定は完了しているため、具体的に行なうのはBluetoothのペアリングだけとなる。MX Master 2Sのときと同じように、切り替えるすべてのPCでペアリングをしておこう。なお、K380は3台のPCとペアリングでき、F1~F3キーを押すことで任意のPCへと切り替えられる。

3台までペアリングでき、切り替えて利用できる『K380』。F1~F3キーで任意のPCへと切り替えられる。キーの長押しでペアリング設定が可能だ。

 ペアリングが済むとLogicool Optionsの画面が変化する。まずは『お使いのデバイス』ボタンを押してみよう。使用デバイス欄からMX Master 2Sだけでなく、K380も見えるようになっているはずだ。ここでK380をクリックし、“Easy-Switch”へと画面を切り替えると、接続先の一覧を見ることができる。

『お使いのデバイス』をクリックすると、Flow対応のキーボードも認識されているのがわかる。

キーボードの設定で“Easy-Switch”を開くと、ペアリングされているデバイスを一覧表示できる。この例では、2台のWindows 10機とペアリングされているのがわかる。

 『お使いのデバイス』をクリックして戻り、今度はMX Master 2Sを選んでFlowの設定画面を表示すると、『リンクキーワード』が設定できるようになっている。ここで設定を“無効”から“Bluetooth Multi-Device Keyboard K380”と変更すれば、画面端でMX Master 2Sと一緒にK380も切り替わるようになる。

先ほどまでグレーアウトしていた『リンクキーワード』が設定可能に。接続したキーボード(ここではK380)を選ぶと、連動が可能になる。

 Flowの特徴であるクリップボードの共有がCtrl+C、Ctrl+Vのショートカットキーから利用できるようになるため、使用感は快適そのもの。Flowを活用するのであれば、マウスだけでなくキーボードも乗り換えるのが必須といっても過言でないほどだ。

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