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事例に厚みが増したAWS Summit 2017レポート 第3回

AWS Summit 3日目の基調講演はCTOのヴァーナーCTOが登壇

ソラコム、NTT東日本、ソニーモバイル、グリーが語る「それぞれのAWS」

2017年06月02日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月1日、AWS Summit 2017の3日目の基調講演にはAWS CTOのヴァーナー・ボーガス氏が登壇した。ボーガス氏は、NTT東日本、グリー、ソニーモバイル、ソラコムなど多彩なゲストを壇上に迎えつつ、昨年のre:Inventの発表や最新のアップデートを披露した。

ヴァーナーCTO、最新サービスとアップデートを披露

 3年ぶりのAWS Summitの壇上となるヴァーナー・ボーガス氏は、まず140億ドル以上の売り上げ、昨年対比43%アップ(1Q)という成長率をアピール。また、10億ドル以上のITベンダーの四半期の成長率を比較し、AWSやServiceNow、WORKDAYなどが台頭する反面、HPE、IBM、シスコがマイナスとなっているデータを披露。オンプレミスの市場が黄昏を迎えていると指摘した。現在、利用している企業や組織もスタートアップやエンタープライズ、教育・公共分野などあらゆる分野に拡大し、日本でのユーザーも10万に達したという。

AWS CTO ヴァーナー・ボーガス氏

 また、グローバルのインフラは、16リージョン、42のAZ、74のエッジロケーションに拡大し、近日パリ、寧夏、ストックホルムに新リージョン、そして昨日発表された通り、大阪にはローカルリージョンが追加されるという。

 さらにボーガス氏はクラウドがもたらす「スーパーパワー」という文脈で、re:Invent以降に発表されたサービスや新機能を整理。FPGAを利用できる「F1インスタンス」、分散アプリケーションのコンポーネントを管理できる「AWS Step Functions」、分散アプリケーションのトレースが可能な「AWS X-Ray」、DynamoDBのVPCエンドポイント接続や高速化を実現する「DynamoDB Accelerator」、S3にデータクエリをかけられる「Amazon Redshift Spectrum」などを解説した。これら豊富なサービスは、選択肢を重視しつつ、ユーザーの足かせとならないツールというコンセプトで用意されいるという。

ヴァーナーの教えに従いAWSユーザーとして凱旋(ソラコム安川氏)

 とはいえ、今回の主役はボーガス氏ではなく、立ち位置の異なる4人のゲスト。4人はユーザーとしてそれぞれ個性豊かなトークを披露した。

 最初に登壇したのはAWSをベースにIoTプラットフォームサービスを提供しているソラコムCTOの安川健太氏。かつてのボスであったボーガス氏に迎えられた元AWSの安川氏は、「われわれもヴァーナーの教えを元にAWS上にシステムを構築している。ヴァーナーのセッションに登壇し、AWSの使い方を紹介できることを大変うれしく思います」と挨拶。IoTのさまざまな課題を解決すべく、AWS上に3G/LTEのコアネットワークを構築し、デバイスとクラウドを直接接続するソラコムのサービス概要を紹介した。

ソラコム CTO 安川健太氏

 まだまだ始めて1年半のソラコムのサービスだが、次世代パーソナルモビリティであるWHILLや客層分析で利用するパルコ、建機のIoT化を進めるKOMATSUなど、ユーザーはすでに6000を越えている。こうした多くのユーザーを支えるスケーラブルなサービスを、少ない人数で開発・運用できるのはなぜか? 安川氏は、「AWS上にAWSのベストプラクティスを用いてサービスを構築しているからと断言できる」と語る。

 安川氏は、マイクロサービス化されたコンポーネント同士がAPIを介して連携しているソラコムのサービスアーキテクチャを披露。Horizontal Scalability(水平的な拡張性)とBulit in Resiliency(組み込み型可用性)を全レイヤに組み込み、サービス自体を疎結合・非同期で設計することで、外部サービスとの連携も容易にした。これにより得られたのは迅速性とアジリティ。これまで12個の新サービス、38回の新機能を実現したほか、サービスのグローバル展開にも大きく役立ったという。

 「これからも星の数ほどあるIoTデバイスをクラウドにつなぎ、イノベーションを起こしてもらうお手伝いができれば」とまとめた安川氏は、満面の笑みで出迎えたボーガス氏と握手&ハグを交わして、舞台を降りた。

去り際に安川CTOと握手を交わすボーガス氏

日本をAWSともっとも太くつなげる国にする(NTT東日本中村氏)

 インパクトという点では、NTT東日本 取締役の中村浩氏の登壇が大きかった。「NTT東日本と聞くと、電話サービスやフレッツ、あるいはインターネット接続を思い浮かべる方は多いと思いますが、それだけはありません」と切り出した中村氏は、フレッツサービスを使ってセキュアで高品質なクラウド接続を実現する「クラウドゲートウェイシリーズ」を紹介する。「もともと社内で便利に使っていたものを、社外の方にも使ってもらう。こういう発想はAWSに似ているのではないか」と中村氏は語る。

NTT東日本 取締役 ビジネス開発本部 副本部長 兼 第一部門長 中村浩氏

 NTT東日本では、企業のライブ配信などを可能な「ひかりクラウド スマートビデオ」や学習支援を提供する「ひかりクラウド スマートスタディ」などでAWSを活用している。数あるクラウドの中でなぜAWSなのかという問いに対して、中村氏は「コスト」「スピード」「アジリティ」の3点を挙げる。「単に安いのではなく、機能と価格のバランスがよい。スピードも市場の投入が早いのではなく、市場の要求を汲んでいる」と述べた上、市場動向に迅速に対応できるアジリティも大きいと強調した。

 現状、クラウド利用は増えてはいるが、企業の基幹システムで採用されることはまだまだ多くない。これについて中村氏は、「インターネットではセキュリティや通信品質で不安がある。一方で専用線のダイレクト接続は、コストや納期がかかる」とネットワーク面の課題を挙げる。こうした課題を解決できるクラウドゲートウェイは、光カバー化9割以上で、2000万契約の光アクセスであるフレッツサービスでAWSと直結できる。安価で、使いたいときにすぐに使えるクラウドゲートウェイを「Network as a Code」 として利用することで、「日本をAWSに対してもっとも太くつなげられる国にできる。セキュリティが必要な金融業界やIoTにも拡げていける」と中村氏はアピールした。

 最後はドラクロワの自由の女神の上に「re:connect」というコピーを載せたクラウドゲートウェイのビジュアルをバックに、中村氏は「AWSの利用環境を向上させ、エンジニアたちのネットワークに対する悩みをともに解決していきたい」と語り、NTT東日本としてのクラウド接続への意気込みを聴衆に示した。

最後はど派手な「re:connect」をバックに聴衆に語りかけた中村氏

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