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NETGEAR製品導入事例

「WAC720」のアンサンブルモードを活用、改修費用を抑えて全館でWi-Fi接続可能に

サッカー合宿所の“ミンママ”、ネットギアでゲストWi-Fiを改修する

2017年06月05日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ネットギア

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改修コストを抑えるために「WAC720」のアンサンブルモードを採用

 工事業者を呼び、最終的には非を認めさせたものの、この設備のままでは「つながらない」ゲストWi-Fiの改善は望めないことは明らかだった。改修が必要だが、できるだけコストは抑えたい。そこで平栗さんは、しっかりと再調査を行って解決策を探ることにした。

 平栗さんの所属するフォースネットでは、以前から法人向けネットギア製品を取り扱っており、幾つもの導入実績があった。製品のコストパフォーマンスの高さは信頼できる。そこでネットギアに相談を持ちかけ、2016年4月にネットギアのエンジニアを呼んで、現地でのサイトサーベイを実施した。

 現地では、Wi-Fi APは天井裏などの見えない場所に設置されており、各棟間のネットワーク配線図もなかった。そのため、各棟に行っては電波強度を測定し、「ここではないか」と設置場所の当たりをつけ、天井裏をのぞいてみるという作業を繰り返すことになった。「この作業は大変でした」と平栗さんは振り返る。

 1日がかりの調査でようやくAPの配置とネットワーク配線を把握した結果、配線はそのまま生かせることがわかった。配線工事をやり直さず、APだけを交換することにすれば、改修コストが抑えられる。

 13カ所のアクセスポイントで11棟を広くカバーし、なおかつ最大350人の宿泊客が利用するゲストWi-Fi環境を考えると、家庭用Wi-Fiアクセスポイントでは頑張ってもキャパシティ不足だ。そこで、ネットギアの802.11acアクセスポイント「WAC720」を採用することにした。

WAC720設置の様子(ロビー、廊下)

 WAC720を選んだ理由について、平栗さんは、ネットワーク機器の善し悪しにうるさいフォースネットの社内でも「安定性が高い」と評判の機種だったことと、「アンサンブルモード」が搭載されていたことの2つだと説明する。

 「ふだんは東京で仕事をしているので、トラブルが起きてもそうすぐには来られない。なので、まずは安定して動くことを重視しました」(平栗さん)

 WAC720のアンサンブルモードは、10台までのAPをグループ化することで、そのうちの「マスター」1台からグループ全APを一括管理できるネットギア独自の機能だ。1台ずつスタンドアロンで運用するのは面倒だが、無線LANコントローラーを導入するほどは規模が大きくないケースに適している。コントローラー不要なのでコストも割安だ。

 もっとも、アンサンブルモードには「1グループ10台まで」という壁がある。ミンションやまざきに必要なAPは13台だ。そこで、平栗さんは「6台+7台」というグループ分けをして対処することにした。なお同時に、電源が取れない建物もあるため、ネットギアのPoEスイッチ「GS108PE」9台も導入している。

ネットワーク図。APのグループを2つ(紫:7台/青:6台)に分け、それぞれアンサンブルモードで一括管理している

 「ネットギアには、サイトサーベイに2人のエンジニアが来ていただきましたし、機種選定のアドバイスなどもいただきました。やはり、メーカーと直接話を進められるのは安心です。丁寧な対応にはとても満足しています」(平栗さん)

合宿中の就職活動にも活用されるゲストWi-Fiは「やらないといけない」

 ゲストWi-Fi設備の改修工事は、2016年の6月に行われた。合宿の増える夏休み前に改修しておきたい、という山崎さんからのリクエストがあったからだ。

 「工事と言っても、これまでのAPやスイッチを、あらかじめ設定済みのWAC720とスイッチに置き換えるだけでした。なので時間はかかりませんでしたが、天井裏を開けるとすごい熱風が出てきて、うわぁ、ここに潜り込んで作業するのか……と思ったのは事実です(笑)」(平栗さん)

 新しいゲストWi-Fi環境は稼働後、夏のハイシーズンも無事に乗り越えた。熱気のこもる天井裏にAPを設置している場所もあり、平栗さんは少し心配していたが、特にトラブルもなく元気に動作しているという。

WAC720設置の様子(食堂、倉庫)

館内のどこにいてもゲストWi-Fiが使えるようになった

 ミンションやまざきでは、各棟の入口にゲストWi-Fiの案内ポスターを貼り出している。合宿で訪れた学生たちは、それを見てすぐにスマホの設定をし始めるのだと、山崎さんは嬉しそうに笑う。

 「今の若い人たちはそれが(Wi-Fi環境があることが)当たり前なんだと思います。用意したゲストWi-Fiが活躍してくれているのは、やはり気持ちいいですね」(山崎さん)

 長年高校生チームを指導してきた平栗さんは、特に携帯会社の通信料金が定額使い放題でなくなったころから、フリーWi-FiやゲストWi-Fiを使おうという意識が高まっているのを感じるという。通信料金を支払うのは親なので、学生たちは無駄づかいしてはいけないと気を遣っているそうだ。

各棟の入口に貼られたゲストWi-Fi設定のポスター。これも平栗さん作とのこと

 前述したとおり、ミンションやまざきには、スポーツ合宿の合間に就職活動にいそしむ大学生たちもやって来る。

 「日中はグラウンドに行って、夕方にここに帰ってきてからは就職活動。合宿の合間に東京まで会社説明会や面接に行って、また戻ってくるという学生もいます。そういう姿を見ていると、やはりこれは(ゲストWi-Fiを)やらないといけないよね、と実感します」(山崎さん)

 せっかちな性格なので時には失敗することもあると笑いつつ、山崎さんは冒頭のように、新しいことに取り組むことが好きだと語った。ミンションに集まる学生たちから、新しい物事を教わったり、発見することも多いという。

 「ほかの人がまだやっていないこと、よそではやっていない新しいサービスを提供することで、たとえ小さなことでも感動を与えることができると思っています。『感動』や『驚き』を与えること、それがこの商売をしていて嬉しい、喜びですね」(山崎さん)

 そんなミンションやまざきに、もうすぐまた夏がやって来る。“ミンママ”はこの夏、どんな新しい感動や驚きを用意して、学生たちを出迎えるのだろうか。

(提供:ネットギア)

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