電子シャッターとメカシャッターでISO感度が異なる
電子シャッター使用時に20コマ/秒とアピールされている。無音で連写ができ、スタートのみブラックアウトが入るなどの設定が豊富で、カスタム要求に応じている点がステキだ。メカシャッターの場合は、5コマ/秒とあるのだが、それよりも気になっていたのは、カタログスペックにあった以下の記述だ。
ISO感度 | ||||||
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メカシャッター時 | ISO100-51200 (拡張:下限ISO50、上限ISO204800) |
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電子シャッター時 | ISO100-25600 (拡張:下限ISO50) |
ISO感度が異なっている。電子シャッター時はセンサー自体に負荷がかかるためと思われるのだが、ダイナミックレンジへの影響はどうなのかが気になり、これも質問してみたが、開示はナシだった。撮影OKのバージョンが手元に届けばわかることだが、反応を見るに開示する方向にあるようだった。
約2.2倍の容量となったバッテリー
Zバッテリーは、これまでのものよりも約2.2倍の容量となっており、CIPA規格準拠での計測だとファインダー使用時:約480枚とある。これはメカシャッター使用時の計測結果とのことで、電子シャッターの場合は、メカを動かす必要がないぶん、さらに撮影枚数が増えるという。
海外でのテスト結果では1バッテリーで3000枚(詳細な設定については不明だが、RAWオンリーと思われる)も撮影できたデータもあるそうだ。α7シリーズが抱えていたバッテリー問題は、条件付きながら解決していると思っていいだろう。
α9でも継続して採用されたmicroUSB端子
αシリーズユーザー、とくにα7以降のモデルを使用しているユーザーにとっては、USB充電でお世話になっているmicroUSB端子は、α9でも継続して採用されており、データ通信のほか、USB充電、充電しながら(厳密には緩やかにバッテリー残量が減りながら)の撮影が可能だ。
ただ堅牢性で考えると、microUSBだとわりと短期間で端子側の接点がダメになりがち。筆者も何度か壊している。この点は、CP+2017において担当者に、端子形状だけでもUSB Type-Cにしてくれると安心度がアップすると伝えており、それは即開発にまで上がったそうだが、変更は間に合わなかったと今回の場で説明を受けた。
基板を見ると変更しやすそうではあり、またmicroUSB端子付近にネジをひとつ確認できるため、アクセスしやすそうである。ギリギリで視野に入れたのかは不明だが、USB Type-C端子への交換サービスは期待しておきたい。
気になる人は先行展示にGO!
短時間のハンズオンながら、あれこれと道具としての進化点を多くチェックできた。2014年にスタートしたソニー・イメージング・プロ・サポート。これまで会員からけっこうな要望が上がっていたハズで、筆者もモリモリと意見を送っていた。サービスインしてから3年目に登場したα9は、それに対する回答が満載ともいえる。
正直なところ「3年目にサービスがなくなってそう」と思いつつ入会したのだが、α9の作りから本気の姿勢を垣間見られたので安心もしている。もちろん、よりタフな現場で安心して使えるものかのジャッジはこれからとなるが、今後も期待できそうだ。
5月13日からソニーストア銀座、札幌、名古屋、大阪、福岡天神で先行展示が行なわれるので、気になる人はハンズオンで自分の撮影スタイルに合うのかどうか対話してみるといいだろう。
コンセプト通り、動体中心であれば十分に検討すべきボディであるし、子供や展開の速いポートレートばかりといった人にも向きそうだし、コンサートや舞台が多いのであれば、サイレントシャッターはマストでもある。
また筆者のように用途的にα7RIIの後継を待っており、α9は対象外とジャッジした人も、操作系統の向上だけでもチェックする価値がある。道具してどうか。そんな視点でチェックすると、ソニーの狙いをなにかと体験できるハズだ。お金、貯めよう。