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最強ミラーレス「α9」を先行展示前にハンズオン!

2017年05月12日 12時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax) 編集●北村/ASCII.jp

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約25%性能がアップした
フォーカス回り

 撮影領域の約93%をカバーする693点の像面位相差検出AFセンサーとコントラストAFを組み合わせたファストハイブリッドAFは、α7RIIに比べて約25%の性能アップになっており、これはすぐにわかるレベルだ。

 また動体予測も強化されており、室内で人物を追ってみた限りでは、異なる人物が横切っても追従していたし、横移動から不意に奥へ移動した場合も同様に追従していた。

 より不規則な動きが多発する実際のスポーツシーンでのチェック次第だが、ソニーがプロモーションにおいて先頭にもってくるときは、だいたい「見て見て、ほんとにすごいのできたのー!」なので、信頼してよさそうである。フォーカス回りは発表に際して公開された下の動画がわかりやすい。

 カスタムボタンも細かい配慮を発見できた。愛用者が多いであろう瞳AFについては、検出性能が向上し、α7RIIよりも高速化しつつ、瞳部にシャドウが降りていても打率が上昇していた。カラコンについてはチェックするサンプルがなかったので不明だ(α7RIIとα6500では瞳AFがオンになるシーンを観測できていない)。

 次に低輝度時のAF。EV-3環境でも良好なAFを得られるとある。今回はチェックできなかったが、従来よりも暗い場所での撮影が楽になるだろう。先行展示でテストする場合は、α7SIIのデモ用ゾーンを活用できるのであれば、利用してしまおう。

 機能では「フォーカスエリア登録機能」「縦横フォーカスエリア切換」が、大変便利だった。「フォーカスエリア登録機能」は使用頻度の高いエリアを指定しておくもので、カスタムボタンに割り振るか、「押す間カスタム設定呼び出し」としてカスタムボタンに登録するかで、使い勝手が向上する。

 また「縦横フォーカスエリア切換」は、横から縦位置に変更した場合、フォーカスエリアを追従させたり、独立させておくなど、縦横の切り換えが激しい場合に重宝するだろう。ただ設定外にあるエリアへの突発的なフォーカスについては、回避策が見つけられなかった(タップの仕様については現在確認中)。

 三分割したゾーンの9ヵ所にマルチセレクターかコントロールダイヤルで選択可能なフォーカスポイントがほしいところ。これは会員からも要望が上がっているそうなので、アップデートで実装されることを期待したい。

 以上にように、把握する機能は多いのだが、α7シリーズに対して、だいたいのユーザーが感じていたであろう「ここ、どうにかならんか」のほとんどが解消されるため、先行展示のときにはフォーカス仕様回りに対しての、ねっとりとしたチェックをオススメしたい。

気になる遅延があったEVF

 真っ先に「EVFの遅延はいくつか。msで答えてほしい」と質問をした。回答としては非公開。室内でテストした限りでは、人によっては気になりそうな遅延があった。筆者は気になってしまったので、4msほどと見ているが、開示する方向になりそうだったので、スペックシートの更新を待っておこう。

 べつにこれは悪い意味ではなく、どれくらいあるかわかれば対応策を施せるという意味で知りたいわけだ。どのみち遅延は多かれ少なかれ存在するものだ(最短2msだったらうれしい)。

EVFユニット

 EVFは3.6MPに強化されており、α7RIIのプレビューパネルを見ているような印象を受ける人が多いだろう。撮影データのフォーカスチェック時の読み込みも速く、なるべくテンポを崩さないで済む仕様だ。

 発色については、α7RIIのEVFに近く、やや色がズレているような体感を得た。あと、例によってプレビューパネルの発色とも異なる。表示だけグレースケールにするモードをここでお願いしておく。

 EVFとプレビューパネルの切り換えのセンサニングは、目測で8~9cm。ノーファインダーでウェストショットに対応するわけだが、これによりEVFを見ようとしたときに切り替わりが起きず、ワンテンポ遅れてしまうことがあった。

 α6500で縦位置写真を撮ろうとしたとき、グリップが下側であると似たようなイベントが起きることがあり、記憶にある人もいるハズ。この点、ソニーのEVF採用機は機種ごとにセンサニングレベルが異なっているほど、落としどころを見つけられておらず、担当者からも苦労していると切り出された。

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