シャープは4月12日、70型の8Kモニター「LV-70002」を製品化し、6月30日から発売すると発表した。予想実売価格は800万円前後で、法人向けの受注生産となる。
同社は2015年に85型8Kモニター「LV-85001」を発売しており、今回70型がラインナップとして追加された形。
新製品は7680×4320の解像度でのHDR(HLG、PQ方式)表示に対応。広色域技術の「リッチカラーテクノロジー」により、BT.2020比で79%の色域を表現できる。
バックライトは直下型で、エリア駆動に対応。ピーク輝度は1000cd/m2にもなる。
地上/BS/CSデジタルチューナーを内蔵するが、4Kや8Kでの表示には対応していない。4K/8K表示はHDMIからの入力で可能となる。
なお、同社は現在行なわれている8K試験放送の受信が可能なデジタルチューナー「TU-SH1050」(予想実売価格 700万円前後)を4月14日に法人向けに発売開始する。
同社ディスプレイデバイスカンパニー デジタル情報家電事業本部副事業本部長 喜多村和洋氏によると、新製品はLV-85001から奥行きと重量がほぼ半分で消費電力は3分の1というスペックを実現。
医療や映像編集、デザイン、サイネージ、デジタルアーカイブといった業務用途を想定しているが、サイズとしては家庭向けの70型テレビとあまり変わらないため、設置しやすさにおいて用途が広げられると優位性をアピールした。
また、同社は2018年の4K・8K実用放送に向けて家庭向けの8K受像製品(テレビ及びチューナー)も開発していくとのことで、「8Kに注力していくシャープの先駆けとなる製品」と語った。
さらに、同氏は2018年に向けた液晶テレビ事業について3つの基本方針を発表。1つはもっとも感動を与えられる製品=8Kの高精細技術であること、2つ目は現在8Kテレビをいち早く実現できるのは液晶であること、3つ目は4K/8K放送に対応した受像関連機器(テレビ、チューナー、レコーダー)のラインナップを拡充していくこと、という趣旨を提示した。