もうひとつ、直近のタイトルでCPU負荷が非常に高い「Watch Dogs 2」でもテストしよう。画質は“最大”、解像度は1920×1080ドットに設定した。マップ上の一定のコースを移動する際のフレームレートを「Fraps」で測定した。
最高fpsはCore i5-7600Kが突出しているが、平均fpsもしくは最低fpsで見ると、Ryzen 5 1600X(やRyzen 7)の方が高い。コア数の多さがマルチスレッド志向の高いゲームに効いたというひとつの例といえる。
しかし、すべてのゲームがWatch Dogs 2並にCPUを使うとは言いがたいので、Core i5-7600Kが快適なゲーム(先のAshes of the Singularity含めて)もあるだろう。だがRyzen 5でも快適なゲーミング環境になるということが分かった点は大きな収穫だ。
最後にシステム全体の消費電力を比較する。“アイドル時”とはシステム起動10分後の安定値、“高負荷時”とは「OCCT Perestroika 4.5」の“CPU Linpack(64bit/AVX/全論理コア使用)”テストを10分稼働させた時のピーク値とする。計測はラトックシステム「REX-BTWATTCH1」で実施した。
一言で表現すればコア数が多いぶん消費電力も高くなる、というのを実証した形になった、というべきか。
Ryzen 5 1600XとCore i5-7600Kのピーク時の消費電力を物理コア数で割ると、ややRyzen 5 1600Xの方が消費電力が少なくなる。今回ビデオカード(GeForce GTX 1080)を使っているとはいえ、内蔵GPUを抱えるCore i5が不利になるのは仕方のないところだ。
まっとうなライバルとして立ちはだかったRyzen 5
ざっくりとだがRyzen 5の検証を終えてみたが、ようやくCore i5に対してもまっとうなライバルとして立てるCPUになったと感じた。もちろん1コアあたりの処理性能がやや劣るだとか、CPUの供給量といったマイナス要素はあるが、これまでCore i5に絶対的な処理性能で勝負できなかったAMDが一転……という状況になったことは素直に喜ぶべきだろう。
とはいえ、今回は時間やベンチマークのレギュレーション指定による制約などから、インテルのCore i7-6800Kや7700Kとの比較はできなかったし、AMDが配布する“Ryzen用に最適化されたバランス電源プラン”の効果も検証できなかった。これに関しては機会を改めたうえで検証していきたいところだ。
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