通学・通勤の時間を快適に過ごすためのポータブル音楽環境強化特集の第2回は、高音質なハイレゾ音源も優れたクオリティーで楽しめる高音質ヘッドフォン/イヤフォンを紹介していく。
ハイレゾ音源って何? iPhoneやスマホで再生できるの!?
ハイレゾ音源とは、CDの44.1kHz/16bitよりも情報量の多いフォーマットで記録されたデジタル音源の総称。
今やスマホでもハイレゾ対応モデルが増えており、特にAndroidスマホの各社の中高級モデルはほとんどがハイレゾ対応と言ってもいい状態だ。
ハイレゾ対応スマホならば、使い勝手はほとんど専用プレーヤーと同様。ハイレゾ音源をメモリーに転送すれば、プリインストールの音楽再生アプリでハイレゾ音源を再生できる。
ただし、機種によって対応するハイレゾ音源フォーマットには違いがあるので、再生できるフォーマットや形式はよく確認しておこう。
一方で、iPhoneなどのiOS端末は基本的にはハイレゾ音源の再生には対応していない。iTunesで管理している楽曲をiPhoneに同期といういつものスタイルでは、ハイレゾ音源の転送もできない。
しかし、オンキヨーの「HF Player」(基本無料だがハイレゾ再生のためには1200円のアプリ内課金が必要)や、ラディウスの「NePlayer」(1800円)などの対応アプリを使えばハイレゾ音源再生が可能になる。
これらは、iTunes経由で同期した楽曲の再生やプレリストも利用できるので、今までの標準音楽再生アプリとほぼ同じ使い勝手で、ハイレゾ音源の再生も楽しめるようになる。
厳密に言えば、iPhoneの場合は単体ではハイレゾ音源をCD品質相当にダウンコンバートして再生することになるのだが、ハイレゾ音源かそうでないかを区別せずに再生できるのは便利だし、次回紹介するポタアン(ポータブルヘッドフォンアンプ)を組み合わせればハイレゾ品質で音楽再生も可能だ。
こうしたハイレゾ音源を楽しむならば、やはりヘッドフォン/イヤフォンも高音質のものを組み合わせたい。ここでは、そんなハイレゾ音源デビューにおすすめの高音質ヘッドフォン/イヤフォンを紹介していこう。
高解像度で勢いのある音が楽しめる
JVC「HA-FW03」
まずはイヤフォンタイプのモデルから紹介していこう。JVCの「HA-FW03」(実売価格 1万9000円前後)は、同社の高音質シリーズ「CLASS S」のカナル型モデル。
同社独自のウッドドームユニットを搭載するのが特徴で、薄膜加工技術を進化させ、50μmに薄型化した軽量10mmウッドドーム振動板を採用。ハウジング内に不要な音を拡散するドットを配置して自然な音の広がりを実現するなど、新たな試みが採用されている。
木製のウッドハウジング内にブラスインナーハウジングとアルミキャップを組み合わせ、異なる素材を使って不要な振動をコントロールしている。
配線のケーブルは、左右の配線それぞれでグラウンド線が独立したL/R独立グランドケーブルとして、左右のセパレーションを向上。あらゆる点で音質に配慮した作りとなっている。
カナル型なので装着感は極めて軽快で、やや大きめのハウジングもそれほど耳からはみ出さないので外れにくい。好みにもよるが赤(右)と青(左)の色で左右が区別されているのは視認性も良く、使いやすい。
勢いがありつつもナチュラルな音
その音はキレ味のよい高解像タイプの鳴り方で、音数が多く細かい音までよく出る。低域はややタイトに感じるが、反応が良く力強さはしっかりと出るので、あまり物足りなさはない。
チェロを中心としたジャズでは、チェロの胴がやや細身に感じるものの、その分、楽しげなメロディーは弾むようで、楽しいムードがよく出ている。
ポップスのボーカル曲でも、声の強弱や勢いの良さが出て表情が豊か。伴奏のピアノもタッチの俊敏さやノリのよさがよく伝わる。
勢いのよさやスピード感のある出音が特徴だが、音色そのものはナチュラルでオーケストラを聴いても各楽器の音を自然な感触で再現する。
強いていうならば、オーケストラのスケール感がややコンパクトになるのが惜しいところ。音の響きや空間感は出るのだが、ややこぢんまりとした感じになりがち。どちらかというと、小編成の演奏を元気よく聴かせるタイプの音と言えるだろう。
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