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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第396回

業界に痕跡を残して消えたメーカー 時代に淘汰されたネット関連企業ArtisoftとMegahertz

2017年02月27日 11時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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酷評されたモバイル向けモデムメーカー
Megahertz

 2社目はMegahertzである。連載394回でU.S.Roboticsに買収された企業として名前が挙がっている。

 Megahertzは1985年3月、ユタ州のSalt Lake Cityで創業された。創業者はDavid Spafford氏、Spencer F. Kirk氏、Stephen C. Aldous氏の3人である。

 Spafford氏は営業担当上級副社長、Kirk氏が社長兼CEO、Aldous氏がCTOを務めるという体制であったが、当初の会社の所在地はなぜかSpafford氏の自宅だったらしい。

 さて、そのMegahertzもやはりモデムのマーケットに参入する。といっても、デスクトップ向けの製品はすでにHayes/Supra/U.S.Roboticsといった大手が大きなシェアを握っており、ここでビジネスを展開しても価格競争の殴り合いになるだけなので、同社はモバイル向けに製品を展開することにした。まだラップトップPCと言われていた時代の話である。

 もっと同社の製品は、なかなかパッとしなかったのも事実だ。例えばPC Magazineの1992年8月号はポータブルモデムの特集をしており、V.32/V.32bisに準拠した7製品を取り上げて、その性能や使い勝手、価格などを評価しているのだが、ここに当時のMegahertzの製品が3つ(P296FMV Pocket Laptop Modem、C596FM Laptop FAX/Modem、T396FM Laptop FAX/Modem)取り上げられている。

 このうちP296FMVは外付け、C596FMとT396FM(Photo06)が評価されていたが、P296FMVは「名前と異なりポケットに入れるには難渋する。特に切り離せない8インチのシリアルケーブルがかなり邪魔」と酷評されていた。ちなみに寸法は1.2×2.4×3.3インチ(3×6.1×8.4cm)となり、確かに相当大きなポケットでないと入らない。

P296FMV本体とは9ピンケーブルでつなぐ。また単三電池2本が内蔵され、これで駆動可能だった

左がCOMPAQ向けのC596FM、右が東芝向けのT396FMとなっている

 また、「スピーカーがあるのは評価するが音質は悪い。でもないよりマシ」と評価は続き、価格も669ドルで、競合のDallas Fax 9696Pが379ドルなのに対して高額であり、性能評価もあまり芳しくないなど、散々な評価である。

 C596FMやT396FMも、ソフトウェアの互換性に関しての評価は“GOOD”(良い)だが、ファイル転送やトラブルシューティングの項目は“FAIR”(普通)扱いで、あまり高い評価を受けているわけではない。

 ちなみにPCMCIAタイプのモデムはまだこの当時、ほとんど市場に出ていない。実際PC Magazineの特集の中でも“PCMCIA:A Great Standard, But Where Are the Products?”(PCMCIA:素敵な規格だが、製品はどこに?)というコラムがわざわざ入っていることからもこれはしのばれる。

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