富士通の本気すぎる軽量ノートのヒミツに迫る!!
衝動買い推奨!! 新「LIFEBOOK UH」のスゴさを開発陣に聞いてきた! [UHシリーズ:UH75/B1・UH90/B1・WU2/B1] (5/5)
2017年03月09日 17時00分更新
富士通クライアントコンピューティング設立1周年を意識した、サテンレッド
――サテンレッドの塗装について詳しく教えていただけますか?
阿部氏 従来のLIFEBOOK SHと大きく変わるわけではないんですけど、塗膜との密着性が高い素材をベースにして、赤の見栄えがよくなるようにシルバーのコートを入れて、赤が鮮やかさに見えるように調整しています。
石川氏 赤の色でいちばん難しいのは、「きれいな赤」を出すことなんですね。ちょっと間違えちゃうと、黒ずんじゃうんですよ。明るい赤を表現するためには、下地に明るいシルバーや白を塗る必要があるんですよ。そのあたりは、我々の経験を活かして仕上げています。
――赤というと、富士通さんのコーポレートカラーでもありますしね
河野氏 そうなんですよ。もともとは黒一色の予定だったのですけど、LIFEBOOK UHに対する社内の期待がだんだん高まってくるのを感じまして(笑)。それで、コーポレートカラーのモデルも作らないとということになりました。
石川氏 我々が所属する富士通クライアントコンピューティングが2月で設立1周年を迎えるんですよ。それにふさわしいシンボリックな製品ということで、社長に持ってもらいたいという思惑もありました(笑)。
――もうひとつの本体カラーとして「ピクトブラック」がありますが、この「ピクト」ってどういう意味なんでしょうか?
廣瀬氏 絵文字や記号を指す「ピクトグラム」というものがありまして、表面の模様が似ているところから「ピクトブラック」としています。
石川氏 知らなかった(笑)
廣瀬氏 ただの黒だと地味ですし汚れが目立つということもありまして、少し味付けを加えています。
――キーボードも場所によって押す力が変わるんですよね。すごいこだわりです。
河野氏 小指はほかの指よりも力が弱いので、タッチタイピングで小指を使うキーについてはキーを押す力を軽くしました。人差し指や中指については標準的なキータッチを採用する二段構えになっています。このしくみはLIFEBOOK SHで高い評価をいただきましたので、LIFEBOOK UHでも継承しました。
最軽量を目指すことでPC市場を活性化したい
――ところで、LIFEBOOK UHは最初から約761gという重量を目標としていたのでしょうか?
河野氏 「世界最軽量」という冠が欲しかったので、最初から目標として掲げていました。当初は重量約777gを切ることを目指していたため、「チームトリプルセブン」というプロジェクト名を付けたのですが、あまり社内でも浸透しませんでしたね(笑)。この数字は他社さんを意識しなかったというとウソになるのですが、世界最軽量を謳うために必要な数字ということで決めています。
石川氏 我々富士通の製品の一番の特徴というのは、なんでもできるオールラウンダーであることだと思うんですね。その軸のはブラさずに、モノづくりの原点として必要なところだと考えています。やっぱり妥協すればいくらでも軽くできるんですけど、それじゃあ富士通の製品らしくないというか。ほかの製品との違いは、そのあたりだと思っています。
――今後の目標はありますか?
河野氏 今回ここまで本腰を入れて軽量化に取り組んだのは初めての経験で、実はチャレンジしきれなかった部分もあるんですよ。その点をもう一度ちゃんと振り返って、さらに軽さを追求したいと考えています。ぜひ2世代目、3世代目にも挑戦していきたいですね。
石川氏 なんかこう、宿命ですよね(笑)。これからどんどん他社さんも、ユーザー様も軽さを求めていくでしょうから。
河野氏 ユーザーの皆さんには軽さがいちばん伝わりやすいということを、今回のLIFEBOOK UHで実感しました。今のPC市場は結構おとなしくなっちゃてるので、今後は数gをめぐっていろんなメーカーでせめぎ合うようになれば、活性化につながって面白いですよね。
富士通ならではの"軽さ"と"使いやすさ"の両立を実現した、新「LIFEBOOK UH」
今回のインタビューでは、富士通がLIFEBOOK UHを通じて"軽さ"と"使いやすさ"の両立という新しい価値を提供したいという姿勢が伺えた。ぜひ一度実機に触れて、その実用性の高さを感じ取っていただきたい。従来の薄軽ノート、また従来の富士通製品ともひと味違う製品に仕上がっており、筆者のように衝動買いしてしまうほど惚れ込む方が必ずいるはずだ。