最小構成は7万円台から購入でき、ニーズに合わせてパワーアップが図れる「ESPRIMO WD2/A3」。省スペースながらミニタワー並の拡張性を持つこのPCの本領を発揮するのは、やはりカスタマイズ性能だろう。今回のレビューではCPUにインテル Core i7-6700、GPUにNVIDIA GeForce GTX 745、メモリも32GB搭載するという贅沢な構成のPCをお借りしたが、この構成でも16万円台で購入できる「ESPRIMO WD2/A3」について、PC内部やマシンスペックなどについて検証してみた。
小さいボディーにゆとりを持った内部構成
「ESPRIMO WD2/A3」の外形は前回も記載したが幅89mm×奥行き343mm×高さ332mm。そのコンパクトなボディーの中は無駄なスペースがないよう、各種機器がうまく配置されている。カバーを外すとこのような感じだ。
筐体が小さい分、もっと隙間なくぎっしりと詰まっているかと思われたが、意外に余裕をもった構成となっている。電源ユニットが小さく、光学ディスクがうまく配置できるようになっているのがポイントだ。写真左下にはオプションのGPUが搭載されているので、デフォルト構成の場合にはこの左下の部分に大きな空間があることになる。GPUを外した場合は下の写真のようになる。
縦置きにした場合、写真手前が底面になり、右側がPC前面になる。そのPC前面下部の吸気口から取り込んだ空気はすぐ上にあるCPUを直接冷やすようになっていることがわかる。排気用のファンはないが、空気の流れとしてはそのまま背面から排気されるだろう。熱を発生しやすい電源ユニットはCPUから離れた背面上部にあり、その熱は直接排気されるようになっている。
オプションで取り付けられていたNVIDIA GeForce GTX 745には小さなファンがついているので、このGPUがついている場合にはそのファンが空気の流通を補助する。排気用のファンがなく、このGPUのファンだけということもあり、PC稼働中の音はとても静かで、ほぼノイズなどは聞こえなかった。省スペースPCということで、書斎などではなくリビングに置いて利用するシーンも考えられるが、この静音性であればPCからの雑音を気にすることなく使用できる。
「ESPRIMO WD2/A3」ではデフォルト構成またはNVIDIA Quadro K620を搭載した場合、マルチディスプレーとして2台まで接続できるが、NVIDIA GeForce GTX 745の場合にはHDMIポートが2つあるので、3台まで接続することができる。複数の作業を画面別に表示できるマルチディスプレーは何かと便利なので、予算に余裕がある場合には検討してみてもいいだろう。
なお、さらにパワーが欲しい場合にはGPUとしてNVIDIA Quadro K620を選択することができる。NVIDIA Quadro K620はOpenGLに最適化されているGPUで、ポテンシャルとしてはNVIDIA GeForce GTX 745の倍以上のスペックが期待できるので、3DCGなどを扱うような場合に有効だ。しかし、価格としてはNVIDIA GeForce GTX 745を選択したときよりも1万6000円ほど高くなってしまうので、PCの用途と予算によって選ぶべきだろう。
「ESPRIMO WD2/A3」のスペックと快適さ
「ESPRIMO WD2/A3」のスペックは前回お伝えしたが、再度おさらいしておこう。CPU-Zを用いた結果は下記の通り。
続いてWindowsマシンとしての快適さを測るWIN SCORE SHAREで計測してみた。CPUとメモリは8.3、ストレージが8.2という高いポイントとなった。ストレージは今回1TB SSDを搭載しているので、こちらも8.2という高いポイント。GPUも8.0となっており、GPUを搭載した効果が出ている。
さらにCrystalDiskMarkを使ってストレージの速度を計測してみた結果は下記の通りだ。
デフォルト構成のHDDではなくSSDを搭載していることが大きく作用しているが、こちらもシーケンシャルアクセス、ランダムアクセスともに高い数値が出ている。この数値であれば、大きなファイルの取り扱いも特にストレスなく使用できるだろう。
カスタマイズで性能のいいスペックとなっている今回お借りした「ESPRIMO WD2/A3」。次回は、グラフィックス性能やマシン性能について、ベンチマークなどを行ない、「ESPRIMO WD2/A3」の実力を測ってみる。


