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いつまで20年、30年前のゲーム音楽ばっかり演奏してるの?

ゲーム音楽吹奏楽コンサート「あそぶらす 第1話」 豪華作曲家陣インタビュー&演奏レポート

2017年01月08日 11時00分更新

文● モトカワ 編集● ちゅーやん

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 そして迎えた「あそぶらす 第1話」演奏会当日。演奏プログラムを、レポートとともにご紹介いたします!

「あそぶらす 第1話」演奏曲

あそぶらすのテーマ
作曲:坂本英城
指揮:松元宏康

 「あそぶらす」のために坂本英城氏が書き下ろした、開演のファンファーレにぴったりな華やかな曲。今回演奏された坂本氏の曲の中ではもっとも「派手」な音で構成されながらも、坂本氏らしい、「坂本節」のメロディが随所に効いていて、ファンならば思わずぐっとくる作品。

『パズル&ドラゴンンズ』メドレー あそぶらすスペシャルアレンジ! (『パズル&ドラゴンズ』より)
作曲:伊藤賢治
編曲:三浦秀秋
指揮:松元宏康

 伊藤賢治氏作曲の『パズドラ』戦闘曲「Walking Through The Towers」「The Orb Festival」を、三浦氏が吹奏楽用にメドレーとして編曲。 キーボードで演奏されるベースの上に、伊藤氏がインタビューでも「演奏の肝」だと語ったトランペットの鳴りが乗って、最高に迫力のある「イトケン節」を堪能させていただきました。
 「Walking Through The Towers」では曲のループ部分で「ドロップが連鎖して消えていく音」の演出が入り、ソロパートでは奏者が立って演奏するなど、プレイヤーが思わずにやっとしてしまう聞き所と見せ所がたっぷり!

西風~マホロバ-栄- (『討鬼伝2』より)
作編曲・指揮:坂本英城

 インタビューでも語っていただいた、「吹奏楽は繊細な演奏もものすごく得意だということを伝えたい」という坂本氏の言葉通り、美しい響きにうっとりとしてしまうメドレーでした。
 あまりの美しい響きに酔ってしまったためかあっという間に演奏が終わってしまい、もっと聞いていたい、という名残惜しさすら感じました。

吹奏楽のための交響詩「消滅都市」第一楽章 (『消滅都市』より)
作曲:加藤浩義・川越康弘
編曲:川越康弘・福田洋介
指揮:松元宏康

 「原曲はEDMなので、今回の演奏曲の中で一番、原曲とアレンジ版の差が大きい。言うなれば僕たちがファミコンで聞いていた曲をオーケストラで初めて聞いた時のような音楽体験になる」とは、演奏直前の坂本氏の言。
 「Eternity」「I miss you baby」「Discord」「The noise」「Avalon」「Wizard」をメドレーにした川越氏によるオーケストラアレンジ版を、吹奏楽のために新たに編曲した作品です。
 ピアノソロで始まり次第に音が重なっていく「Eternity」から、パーカッションがリズミカルで華やかな印象の「I miss you baby」、そして低音から始まりテンポが上がるとともに不穏さをかきたてられる「Discord」、「The noise」から次第に疾走感を増して「Avalon」「Wizard」でエンディングを迎えます。
 プレイヤーにとって胸の熱くなる曲を余すところなく聞くことのできる、美味しいところめいっぱい取りのメドレーでした。

『サウザンドメモリーズ』メドレー (『サウザンドメモリーズ』より)
作編曲・指揮:いとうけいすけ

 「ロード・オブ・リターナーズ」「新たなる王国」「ラスト・バトル」「Theme from THOUSAND MEMORIES」「ありふれた平穏」をメドレーに。 壮大な物語のような演奏に圧倒されました。特に、「ラスト・バトル」からゆっくりとテンポを溜めた後にやってくる「Theme from THOUSAND MEMORIES」のメロディに最高に胸が熱くなります。

刻の工房 (『ノーラと刻の工房 霧の森の魔女』より)
作編曲・指揮:なるけみちこ

 なるけ氏のゲスト参加決定後、「吹奏楽で演奏するならばこの曲!」と、演奏曲が即座に決まったそうです。同曲は今までオーケストラやケルティックアレンジで演奏されていますが、今回は吹奏楽アレンジとして、素朴なかわいらしさのパーカッションと、やわらかい木管の音が美しい作品に。
 「こんなにすてきな笑顔で指揮を振る方を見るのは初めて。見ていて思わず自分もニコニコしてしまう」と、松元氏も笑顔でコメント。

法廷組曲 逆転裁判6 (『逆転裁判6』より)
作編曲・指揮:岩垂徳行

 「逆転裁判6・開廷」「尋問 ~モデラート2016」「尋問 ~アレグロ2016」「成歩堂龍一 ~異議あり!2016」「追求 ~追いつめあって」で構成される、『逆転裁判』ファンにはたまらない曲がぎゅっと詰まったメドレー。吹奏楽演奏の「かっこいいところ」を、すべて余すところなく聞けてしまう、吹奏楽ファンにもたまらない編曲だったのではないでしょうか。
 曲の途中では、演奏者による「待った!」「ポルクンカー!」、観客も立って参加する「異議あり!」の掛け声、そして白いヒゲを着けてサイバンチョに扮した松元氏が木槌を持って登場するシーンも。

The Final Time Traveler(『TIME TRAVELERS』より)
作編曲・ピアノ独奏:坂本英城
指揮:松元宏康

 演奏にピアノが加わったことで、曲後半で印象的に歌うメロディに引き込まれました。さらに演奏とともに映された特別編集のゲーム映像も相まって、感動のため涙を流す人も。観客は演奏に呑まれたように、最後の音が消えた後もしばらく拍手できなかったほどでした。


 豪華プログラムとトークで大盛況のうちに終わった「あそぶらす 第1話」。これから毎年、夏の恒例プログラムとして開催される予定とのこと。

 最後に、今年(2017年)開催予定の「第2話」に向けて、音楽監督の松元氏、そしてゲスト参加された作曲者のみなさんにお話をご紹介して、レポートを終えたいと思います。今回来場できなかった方もぜひ、次回の「あそぶらす 第2話」に観客として参加して、この得難い演奏会を体感してください!

あそぶらす第2話へ向けて

■音楽監督:松元宏康氏

松元:「あそぶらす」では、作曲家のみなさんに色々なアイディアを出していただいて、それに対して我々演奏家がどう応えられるのか、挑戦していきたいんですよね。「ゲーム音楽と吹奏楽」というのが相性のいい組み合わせであることは間違いないので。
 ゲーム音楽の作曲家と吹奏楽の演奏家のクロスオーバーというか、作曲家のみなさんがより生き生きと作品を表現する媒体として、我々が何をできるのか。いい意味での受け身でありつつ、演奏で積極的に応えていきたいと考えています。

■坂本英城氏・いとうけいすけ氏

いとう:あそぶらす第1話いかがでしたでしょうか。
 これを機に、第2話、第3話……と展開していけたらいいなと思っていますので、ゲーム音楽好きなみなさんも、吹奏楽好きなみなさんも、これからのあそぶらすの活動にご期待ください。

坂本:ゲームって、ひとつの画面に向かって友達と一緒に遊ぶ、というスタイルじゃなくなってきてますよね。一昔前には一般的だった「お兄ちゃんがゲームを遊んでいて妹が後ろで見ている」という場合は、プレイヤーのお兄ちゃんだけではなく、妹もゲーム音楽を聞いているわけです。だから、プレイしていなくても曲を知っているし、コンサートに行けば楽しいという状況が生まれていた。
 でも、今はひとりずつ、携帯でゲームを遊んでいる。しかも、あるデータによると、音楽を聴きながらスマホゲームをプレイしている人って、今、17%ぐらいしかいないらしいんです。
 なので、こういう演奏会に来てもらって、「パズドラ曲目当てで来たけど、サウザンドメモリーズの曲かっこいいな」ですとか……音楽を聴いて、そのゲームをプレイする人が増えたらいいなっていうのは、すごく思っています。

いとう:それは嬉しいですね。

坂本:部活で吹奏楽をやっている人たちって、今のゲームを一番遊んでいる人たちですよね。層が被っている。ここは、うまくまぜたら、絶対双方に良い作用があるはずだと思っています。
 で、こういった演奏会からゲーム音楽作曲家という仕事に興味を持って、僕たちみたいに、この道を目指してくれる人が増えたらいいなって思っています。

■伊藤賢治氏・岩垂徳行氏・なるけみちこ氏

岩垂:ゲームの曲ももちろんいいんだけど、オリジナルも作ってみたいね。今回の「あそぶらすのテーマ」じゃないけれども、オリジナル曲を少しずつゲーム音楽作曲者側から発信できたらいいな。これは、僕の夢ですね。

なるけ:わたしも、演奏してもらえるのであれば、いつかぜひオリジナル曲にトライさせていただけると嬉しい……て思います。まずはやっぱり小編成のアンサンブルからかなぁ。

伊藤:2回目をやるとしたら、自分だったらやっぱりスクウェア曲をやってみたいですね。
 スクウェア曲をできるかできないかで、やっぱり反応も影響力も大きく違うと思うんですよね。楽しみ方も違うと思いますし。

なるけ:イトケンの曲はさ、やっぱり吹奏楽と親和性が高いよね。イトケンの曲は、吹奏楽でやる意義がある。

岩垂:あとさ、イトケン次はなんかやりなよー。サックス持ってきて演奏しなよー。

なるけ:やりなよ~。

伊藤:楽器持ってないんですよ!

岩垂:買ってこなきゃ!

なるけ:買おう!

伊藤:まじですか!(笑)

岩垂:いいところ紹介するよ(笑)。

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