11月4日、仮想化専用ストレージを展開するティントリジャパンは最新のTintri OS 4.3に関する発表会を開催。新機能として、筐体間でのリアルタイムなデータミラーや1対Nでのレプリケーションが追加されほか、将来予測が可能なティントリアナリスティックも発表された。
リアルタイムのレプリケーションで堅牢性を強化
発表会の冒頭、登壇したティントリジャパンの首藤憲治氏はITの利用が確実にクラウドシフトしている市場概況を説明し、ティントリの販売金額自体もすでに4割がクラウドプロバイダーになっている点をアピール。高い拡張性や管理のしやすさ、自動化、VM単位で将来的な予測が可能な点などがクラウドファーストにマッチしていると説明した。こうした中、Tintri VMstoreに搭載されている「Tintri OS」が4.3にバージョンアップされ、堅牢性とアナリスティックの機能に拡張が施されたという。
従来、ティントリではVM単位でのレプリケーションとスナップショットをサポートしており、最短1分間隔でデータを転送することが可能だ。とはいえ、障害が起こった際はセカンダリーのVMstoreでリカバリ処理を行なった後、vSphereからVMを起動してサービスを再開するため、サービス再開まで時間がかかっていた。
今回、Tintri OS 4.3で搭載された「Synchronous Replication」(以下、SyncRep)ではTintri VMstoreの筐体間でリアルタイムのデータミラーを実現する。プライマリのVMstoreの更新データをリアルタイムにセカンダリーとなるVMstoreに転送し、障害時にはゼロダウンタイムでの透過的な切り替えが可能。ESXiからは仮想IPアドレスにマウントするだけで利用できるほか、VM単位でSyncRepを実装するかどうかのポリシーを設定できるという。
なお、SyncRepを利用するためにはTintri Global Centerによる構成と管理が必要で、対象となるTintri VMstoreはデータセンター内および100km圏内での10GbE接続が推奨される。Tintri Replicationのライセンスのみで利用可能。今回発表された4.3ではVMwareのみ対応し、以降のバージョンでマルチハイパーバイザーに対応する予定。
また、新たに「1-to-Many Replication」がサポートされ、Tintri OS 4.3以降は1対Nのレプリケーションが可能になった。最大4台のVMstoreまで指定が可能で、複数サイトでのDRに対応する。
サポート用のビッグデータをユーザーにも開放
Tintri VMstoreの診断データを分析するクラウド型アプリケーションである「ティントリアナリティックス」も新たに発表された。従来、同社の「AutoSupport」のために6年間収集してきたグローバル約2000台のTintri VMstoreのデータをユーザーに開放。過去3年間の実データを集約し、最長18ヶ月の将来予測を的確に行なえるという。
英語版のみ提供され、AutoSupportを有効化しているTintri VMstoreが対象。既存のすべてのVMstoreとOSで利用できる。