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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第480回

富士フイルム「X-T2」の縦位置チルトは猫撮りにたまらない魅力!

2016年10月21日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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2匹は仲良し。毛繕いしてあげる白猫と、周りの警戒を怠らないハチワレトラ。この2匹以外はぼけてるけど、よく見ると全部で5匹写ってます(2016年10月 富士フイルム X-T2)

2匹は仲良し。毛繕いしてあげる白猫と、周りの警戒を怠らないハチワレトラ。この2匹以外はぼけてるけど、よく見ると全部で5匹写ってます(2016年10月 富士フイルム X-T2)

 この秋注目のカメラは富士フイルムのミラーレス一眼「X-T2」である。

 もちろん被写体は猫である。

 猫を撮るときは、猫がいる場所にこっちが合わせて撮るのだから、車の下にいたり屋根の上にいたり地べたに転がってたりあっちに行ったりこっちに来たりするわけで、それに合わせてこっちも動けばいいかというとそうとばかりもいえない。

 猫に比べて人間は非常にデカいので、猫に合わせて人間がよっこらしょ、と動くと、それが猫の動きに影響を与えてしまうのだ。撮る側は一度ポジションを決めたら、うかつに動かない方がよいこともある。

 そんなとき、でもあと20cm近づきたい、あと10cm低い位置で撮りたい、となったら、背面モニターを見ながら腕を伸ばしたり縮めたりして構図を調節するのだ。

 そこで、X-T2のこの新型チルト式モニターの出番である。

 上下に稼働するチルト式モニターに、ひとつヒンジが加わって、縦位置でも角度を変えて撮れるようになったのだ。これは画期的。というか、一番欲しかった機能!

X-T2で撮影中。このようにモニターが横方向にもこの角度までチルトするので、縦位置でのローアングル撮影が簡単にできる

X-T2で撮影中。このようにモニターが横方向にもこの角度までチルトするので、縦位置でのローアングル撮影が簡単にできる

 楽しそうでしょ。

 もちろん、バリアングルモニターと呼ばれる、一度横にモニターを開いて回転させる方式もあるが、あれは「開いて回す」という2アクション必要であるなど、もろもろの理由から、好きじゃないのである。

 おかげで縦位置ローアングルで撮りやすくなったのだ。

背筋を伸ばして座った猫は縦位置ローアングルで。背景のボケがちょっと不思議な感じなのは、緑色の網があるからです(2016年10月 富士フイルム X-T2)

背筋を伸ばして座った猫は縦位置ローアングルで。背景のボケがちょっと不思議な感じなのは、緑色の網があるからです(2016年10月 富士フイルム X-T2)

 Xシリーズはモノクロモードもきれい。特にフィルムシミュレーションの「ACROS」は絶品。

 ハイキー気味にしてちょこんと座って目を閉じてる猫を狙ってみた。

モノクロハイキーのちょこん座り猫。白い猫はより白く。暖かな感じが出てます。「ACROS」はコントラストがしっかりしてキリッと写るのが気持ちいい(2016年10月 富士フイルム X-T2)

モノクロハイキーのちょこん座り猫。白い猫はより白く。暖かな感じが出てます。「ACROS」はコントラストがしっかりしてキリッと写るのが気持ちいい(2016年10月 富士フイルム X-T2)

 気持ちよさそうに日陰で寝てる猫がいたら、起こさないようにそっと腕を伸ばして近くからぱしゃり。

実は座ったまま低い位置で腕を伸ばして片手撮りをするときは、縦位置の方が身体が楽できるのです。白猫なのでプラスの補正をかけてぐぐっと接近。耳のピンクがきれい(2016年10月 富士フイルム X-T2)

実は座ったまま低い位置で腕を伸ばして片手撮りをするときは、縦位置の方が身体が楽できるのです。白猫なのでプラスの補正をかけてぐぐっと接近。耳のピンクがきれい(2016年10月 富士フイルム X-T2)

 縦位置での片手撮りはなかなか便利である。

 もちろん横位置でもモニターはチルトする。

 モニターを逆方向にチルトさせて屋根の上にいた猫。屋根の上でにゃあにゃあ鳴いていたので、口が開いて舌が見える瞬間を。

屋根の上でにゃあと鳴いた瞬間。舌が見えております。もしかしてこの猫、歯が抜けてる?  ちなみに背景の緑がすごくきれいなのも富士フイルムらしさ(2016年10月 富士フイルム X-T2)

屋根の上でにゃあと鳴いた瞬間。舌が見えております。もしかしてこの猫、歯が抜けてる? ちなみに背景の緑がすごくきれいなのも富士フイルムらしさ(2016年10月 富士フイルム X-T2)

 X-T2はミラーレスながらAFが超高速でレスポンスがいいので、こういうタイミングも計れるのだ。

 猫が動いているときは連写で。連写はメカシャッターで秒8コマ、電子シャッター時は秒14コマまでいける。その上、AF-Cの信頼性も高いので猫が動いてるときでも追えるのだ。

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