2015年秋に日本市場参入を表明していた新興メーカーのスマーティザン(Smartisan)。その後約1年経ったいまでも大きな動きは無く、新製品も2015年12月発売の「T2」のあとはマイナーチェンジモデルが出ただけ。
9月のiPhoneに新製品ををぶつけてくることも無く、後継モデルの開発はどうなったのかと、その存在すら忘れてしまった人も多いかもしれません。
スマーティザンは日本語サイトやFacebookページも開設。日本参入のカウントダウンが始まると思いきや、そもそも新製品が出てきませんでした。
しかし、10月になってから動きが慌ただしくなっています。待望の後継モデルとなる「T3」がいよいよ発表となるのです。例年9月に行なわれていた新製品発表会から1ヵ月半遅くなりましたが、2016年は10月18日に新製品を発表。そこで新しいフラッグシップモデル「T3」が発表されます。
1年前の「T2」はSnapdragon 808(1.8GHz、ヘキサコア)、メモリーは3GB、ストレージは16GBまたは32GB。4.95型フルHD解像度(1080×1920ドット)ディスプレーに、背面1300万画素、正面500万画素のカメラを搭載したハイミドルの製品でした。
すでに他社製品の多くが、指紋認証センサーを搭載していましたがT2は非搭載。正面には3つの物理ボタンがディスプレイーに埋め込まれているかのようなデザインが特徴でした。
また、側面は左右に音量キーとディスプレーの輝度調整キーを並べ、左右対称のシンメトリックなデザインが特徴的でした。スマーティザンのスマートフォンは、機能やUIもさることながら、本体のデザインにも非常にこだわっているのです。そのデザインのこだわりは、間もなく発表されるT3にも引き継がれているようです。
ディスプレー下にiPhoneライクな円形のホームボタンが見えます。おそらくこのボタンが指紋認証センサーとしても働くのでしょう。このボタンの搭載でT2、そして初代モデルT1が採用していた3つのボタンは廃止されます。
しかし、このボタンが指紋認証だけに使われるとは考えにくく、なにかトリッキーな操作が組み込まれるかもしれません。ホームボタンに指先を乗せるだけで、何らかの操作が簡単にできる、そんな機能を期待したいものです。
一方、背面側は上下左右のエッジ部分が取れた形状をしており、丸みを持った持ちやすいデザインとなっているようです。この形状もT2/T1にあったストレートでソリッドなイメージとは大きく異なっています。
気になるスペックですが、ディスプレーのサイズ違いにより2つのモデルが登場するようです。
5.2型モデルは、フルHD解像度(1080×1920ドット)、Snapdragon 820にメモリー3GBまたは4GB。カメラは背面1600万画素と正面800万画素。5.7型モデルは、WQHD解像度(1440×2560ドット)にSnapdragon 821、メモリーは4GBまたは6GBとなるようです。
そのほかにわかっているスペックは、バッテリーがそれぞれ3000mAh、4000mAhなど。価格は恐らく前者が1999元(約3万800円)、後者が2999元(約4万6200円)といったところでしょうか。
ちなみに、T3の5.2型モデルは、シャオミが先日発売した新製品「Mi5s」とスペックがかなり似通っています。
Mi5sはSnapdragon 821、ストレージ64GBまたは128GBと、T3の5.2型モデルを上回るものの、カメラは背面1200万画素、正面400万画素で、こちらはT3の勝ち。パフォーマンスで言えば、Mi5sのほうが上でしょうが、ユーザーが気にするのはカメラ画質などでしょうから、T3にも分があります。
発表前ということで、もちろんスマーティザンからはT3の販売国についてのアナウンスはまだありません。発表会で、もしかしたら日本への投入も表明されるかもしれません。
T3がシャオミのMiシリーズと同等価格、同等スペックであれば、日本でも競争力のあるハイエンド機として人気製品になる可能性を秘めています。10月18日にスマーティザンがどんな発表を行なうのか、楽しみです。
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