M.2スロット位置の異なるマザーボードで
ヒートシンク装備の「M8PeG-08」を試す
M.2スロットへのエアフローが良いASUS「H170 PRO GAMING」で、最高温度が60度になったヒートシンク装備の「PX-256M8PeG-08」。続いてはM.2スロットの位置が異なる複数のマザーボードを用意し、さまざまなシチュエーションでの最高温度をチェックしてみた。
テストに使用したパーツは下記の通りで、マザーボードはLGA2011v3を1種類、LGA1151を2種類追加。温度の計測条件はヒートシンク有無の計測時と同じだが、より実使用時に近づけるために、「PX-256M8PeG-08」にOSをインストールしている。
| テスト環境 | |
|---|---|
| CPU | Intel「Core i7-5960X」 (3GHz/TB時3.5GHz、8コア/16スレッド) Intel「Core i7-6700K」 (4GHz/TB時4.2GHz、4コア/8スレッド) |
| マザーボード | ASUS「RAMPAGE V EXTREME」 (Intel X99 Express) ASRock「Z170 Extreme4」 (Intel Z170 Express) ASUS「Z170M-PLUS」 (Intel Z170 Express) |
| メモリー | G.Skill「F4-3000C15Q-32GRK」 (PC4-24000、8GB×4/×2) |
| SSD | PLEXTOR「PX-256M8PeG-06」(M.2 256GB) PLEXTOR「PX-1TM8PeY」(PCIe 1TB) |
| ビデオカード | ASUS「ROG STRIX-GTX1080-O8G-GAMING」 (GeForce GTX 1080) |
| 電源ユニット | Seasonic「SS-750KM」 (750W/80PLUS GOLD) |
| OS | Windows 10 PRO(64ビット) |
CPUクーラーやVGAクーラーからの
エアフローが大事なNVMe SSD
手始めはLGA2011v3プラットフォームのASUS「RAMPAGE V EXTREME」だ。発売がM.2スロットタイプのNVMe SSD登場前となる2014年9月とあってM.2スロットは、あまりエアフローが考慮されていない位置にある。
「RAMPAGE V EXTREME」は、テストに使用したビデオカードのASUS「ROG STRIX-GTX1080-O8G-GAMING」が、良い感じにM.2スロットに被るため、VGAクーラーのセミファンレス機能の有効(ファン停止)、無効(ファン回転)時で温度を計測してみた。
RAMPAGE V EXTREMEでのSSD温度(単位:℃)
テスト中は当然ながらGPUは低負荷状態。そのためVGAクーラーのヒートシンクフィンを通った風でも熱されておらず、ファン停止時と回転時では最高20度も違っている。
ただ、ゲーミング中にVGAクーラーからの排気温度が上昇すると、M.2スロットへ熱風が吹き付けられることになるので、難しいところ。この辺は、よりビデオカードの影響を受けやすいPCI Express ×16スロット直下にM.2スロットを備えるマザーボードで試すことにした。
構成・用途次第では問題なし!?
ビデオカード直下タイプのマザーボード
続いては、テスト環境をPC自作の定番プラットフォームとなっているLGA1151に変更。ビデオカード向けのPCI Express ×16スロットの下にM.2スロットを備えるZ170搭載マザーボードのASRock「Z170 Extreme4」で温度をチェックしていこう。
ビデオカード向けのPCI Express ×16スロット直下にM.2スロットを備えるASRock「Z170 Extreme4」。内部排気タイプのVGAクーラーでは、ゲーミング中に熱風を浴びることになる
まずビデオカードを搭載していない状態で試してみると、最高温度は65度とまずまずの結果に。これはCPUクーラーに使用したトップフロータイプのインテル「TS15A(BXTS15A)」からのエアフローが要因。
従来のCPU付属クーラーと比べて大型化している「TS15A(BXTS15A)」は、高さもありビデオカード非搭載時は、M.2スロットに良い感じに風を吹き付けていた。
サイドフロータイプのENERMAX「ETS-T40F-TB」(ファン回転数1500rpm前後)も試したところ、アイドル状態で6度アップ。
「CrystalDiskMark 5.1.2」実行中に至っては、サーマルスロットリングが発生する77度になってしまった。
同じエアフローのない状態のなかでも、最も高くなってしまったのは、PCI Expressスロットとチップセットヒートシンクに周りが囲まれているのが要因かもしれない。
なお、「ETS-T40F-TB」搭載ファンの回転数を1800rpmまでアップさせ、風量を増やしてみたが、ヒートシンク側面からの風量はあまり増えず、アイドル、最高温度ともに差は出なかった。
CPUクーラーの違いによるSSD温度(単位:℃)
続いてはビデオカードを搭載した状態。CPUクーラーは「TS15A(BXTS15A)」を使用したが、エアフローがビデオカードに遮られるため、ベンチマークを1回実行しただけで温度は70度を超え、最高は76度になった。
ただ、ビデオカードのセミファンレス機能をオフにすると、最高温度は59度までダウンした。ビデオカード搭載時に、動画エンコードなどの作業を行なう際は、セミファンレス機能をオフにするのも手だろう。
VGAの有無によるSSD温度(単位:℃)
ストレージへのアクセスが少なくても
60度近くまで温度は上昇
VGAクーラーに被る位置にM.2スロットを備える「Z170 Extreme4」の最後は、ビデオカードからの排気の影響をチェックした。
高負荷時の排気温度は60度を超えてしまう「GeForce GTX 1080」で「3DMark」を20分間ループさせると3DMark実行中のストレージアクセスは少ないにも関わらず、最高温度は59度に達してしまった。
ストレージへのリード・ライトが多いゲームでは、さらに高くなる可能性が大きいので、PCI Express ×16スロットの直下にM.2スロットを備えるマザーボードで、NVMe SSDを使ったゲーミングPCを組む際は、注意が必要と言える。

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