ヘッドフォン出力が3.5倍に!
フルデジタルアンプは強化された「S-Master HX」を搭載。ヘッドフォン出力は実用最大出力で35mW+35mW(16Ω)と従来モデルの約3.5倍に向上。より駆動力を高めている。
CD音源やMP3などの圧縮音源を高音質化する「DSEE HX」も搭載。最大192kHz/32bit相当までのハイサンプリング/ハイビット化を行なう。アナログアンプの低音感を再現する「DCフェーズリニアライザー」も搭載する。
音質調整機能として「イコライザー」機能も備えており、カスタムで自由な調整ができるほか、7種類のプリセットメニューも採用。新たに「EDM」や「R&B/HIP HOP」のモードなどが追加された。このように、高音質のための機能を上位機種を継承したものが搭載されている。
自然な音色の再現とパンチの効いたエネルギー感
両者がが上手くバランスしたサウンド
では、早速その音を聴いてみよう。試聴では付属イヤフォンの「h.ear in」を使っている。DSD11.2MHzの「交響組曲AKIRA2016」を再生すると、問題なく再生できた。
この価格帯のプレーヤーでDSD11.2MHz対応は珍しいので、わかってはいてもちょっと驚いた(ウォークマン端子を使ったデジタル出力時、DSD11.2MHz音源のDoP再生は出力不可)。
その音はすっきりとした軽快感のあるサウンド。ガムラン楽器の音色も自然で、祭りのかけ声にも似た合唱も十分にパワフルだ。スピード感のある打楽器の連打もキレ味よく再現するし、柔らかくスムーズな音色でありながら、パワー感やエネルギー感もしっかりと味わえるうまい味付けだと感じた。
上位モデルとは細かな部分の再現性で差があるものの、音色の自然さや音の柔らかさは共通したものがあり、前機種と比べて質感がかなり向上していることがわかる。
それでいて、上品でおしとやかな感じにはならず、メリハリの効いた元気の良さもある。
PCM音源でクラシックやジャズを聴いてみても、基本的な音質傾向は同様で、特にアコースティック楽器の音色が自然だ。音の粒立ちも細やかで解像度は十分に高く、音像がしっかりと立つ。
この実体感のある再現はなかなか魅力的。相対的に音場感や空気感のような再現はやや後退した感じになる。コンサートホールの良い席でホールの響きとともに音楽を聴くというよりも、指揮者の位置で音楽を間近で聴いているイメージだ。
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