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お手頃価格のウォークマン、ヘッドフォンを実機レビュー! 第1回

実売2万3000円でも迫力あり! 新ハイレゾウォークマンを試す

2016年10月11日 10時00分更新

文● 鳥居一豊

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ヘッドフォン出力が3.5倍に!

 フルデジタルアンプは強化された「S-Master HX」を搭載。ヘッドフォン出力は実用最大出力で35mW+35mW(16Ω)と従来モデルの約3.5倍に向上。より駆動力を高めている。

DSEE HXの画面。オン/オフのみの切り替えで、ほかのモードの選択はできない

DSEE HXの画面。オン/オフのみの切り替えで、ほかのモードの選択はできない

DCフェーズリニアライザーの画面。こちらもオン/オフの切り替えのみ

DCフェーズリニアライザーの画面。こちらもオン/オフの切り替えのみ

 CD音源やMP3などの圧縮音源を高音質化する「DSEE HX」も搭載。最大192kHz/32bit相当までのハイサンプリング/ハイビット化を行なう。アナログアンプの低音感を再現する「DCフェーズリニアライザー」も搭載する。

バーチャルサラウンド機能「VPT」も選択可能。4つの音場空間を選択できる

バーチャルサラウンド機能「VPT」も選択可能。4つの音場空間を選択できる

曲ごとに微妙に異なる音量差を揃える「ダイナミックノーマライザー」もある

曲ごとに微妙に異なる音量差を揃える「ダイナミックノーマライザー」もある

イコライザーのカスタム調整。6バンドで自由な調整ができる

イコライザーのカスタム調整。6バンドで自由な調整ができる

イコライザーのプリセットメニュー。楽曲のジャンルに合わせた調整値が7種類用意されている

イコライザーのプリセットメニュー。楽曲のジャンルに合わせた調整値が7種類用意されている

 音質調整機能として「イコライザー」機能も備えており、カスタムで自由な調整ができるほか、7種類のプリセットメニューも採用。新たに「EDM」や「R&B/HIP HOP」のモードなどが追加された。このように、高音質のための機能を上位機種を継承したものが搭載されている。

自然な音色の再現とパンチの効いたエネルギー感
両者がが上手くバランスしたサウンド

設定にある出力設定。DSDのUSB出力では、オートまたはDoP再生が選択可能

設定にある出力設定。DSDのUSB出力では、オートまたはDoP再生が選択可能

DSD再生時のフィルター設定。スローロールオフとシャープロールオフが選べる。音の感触に合わせて選ぼう

DSD再生時のフィルター設定。スローロールオフとシャープロールオフが選べる。音の感触に合わせて選ぼう

DSD再生時のゲイン設定。推奨値の-3dBとPCM再生と同じレベルの0dBが選べる

DSD再生時のゲイン設定。推奨値の-3dBとPCM再生と同じレベルの0dBが選べる

 では、早速その音を聴いてみよう。試聴では付属イヤフォンの「h.ear in」を使っている。DSD11.2MHzの「交響組曲AKIRA2016」を再生すると、問題なく再生できた。

 この価格帯のプレーヤーでDSD11.2MHz対応は珍しいので、わかってはいてもちょっと驚いた(ウォークマン端子を使ったデジタル出力時、DSD11.2MHz音源のDoP再生は出力不可)。

 その音はすっきりとした軽快感のあるサウンド。ガムラン楽器の音色も自然で、祭りのかけ声にも似た合唱も十分にパワフルだ。スピード感のある打楽器の連打もキレ味よく再現するし、柔らかくスムーズな音色でありながら、パワー感やエネルギー感もしっかりと味わえるうまい味付けだと感じた。

 上位モデルとは細かな部分の再現性で差があるものの、音色の自然さや音の柔らかさは共通したものがあり、前機種と比べて質感がかなり向上していることがわかる。

 それでいて、上品でおしとやかな感じにはならず、メリハリの効いた元気の良さもある。

 PCM音源でクラシックやジャズを聴いてみても、基本的な音質傾向は同様で、特にアコースティック楽器の音色が自然だ。音の粒立ちも細やかで解像度は十分に高く、音像がしっかりと立つ。

 この実体感のある再現はなかなか魅力的。相対的に音場感や空気感のような再現はやや後退した感じになる。コンサートホールの良い席でホールの響きとともに音楽を聴くというよりも、指揮者の位置で音楽を間近で聴いているイメージだ。

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