IoT分野での「フォグコンピューティング」推進を目指す業界団体、OpenFogコンソーシアムは10月3日、日本のIoT推進コンソーシアムとの覚書を締結し、フォグコンピューティングの技術/テストベッド開発および標準化活動で協調していくことに合意した。
フォグコンピューティングは、IoTシステムにおいて「モノ」と「クラウド」の中間層にコンピューティング機能を分散させ、リアルタイム性や大量のデータ処理を実現するアーキテクチャ/アプローチ。OpenFogコンソーシアムは、このフォグコンピューティングにおけるアーキテクチャの定義、啓蒙、技術標準化を進める業界団体。2015年11月にARM、シスコ、デル、インテル、マイクロソフト、プリンストン大学の6者によって設立され、現在は世界46組織が参加している。今年4月には日本地区委員会(OpenFog Japan Regional Committee)を発足させている。
一方のIoT推進コンソーシアムは、日本政府が2015年10月に設立した産官学共同のIoT推進団体。IoTにかかる技術開発や実証、新たなビジネスモデルの創出などを推進し、さらにIoTプロジェクト実施に必要になる規制改革等の提言を行うことを目的としており、経済産業省と総務省が支援している。今年9月20日現在の会員数はおよそ2400社/組織。
今回の覚書締結を通じて、両者はすぐれたIoT/フォグコンピューティング事例の特定や共有、テストベッドおよび研究開発プロジェクトでの協業、アーキテクチャ/その他要素の調和と相互運用性実現、標準化活動における協業を図っていくとしている。
またOpenFogコンソーシアムでは、新たに日立製作所が同コンソーシアムに参加したことも発表している。日本地区委員会のディレクターとして日立製作所 ICT事業統括本部の安田誠氏を選任した。
なおIoT推進コンソーシアムは同日、産業市場におけるIoT実装を推進していく米国中心の業界団体、Industrial Internet Consortiumとも同様の覚書を締結している。