Parrotは9月27日、固定翼型のドローン「Parrot Disco」を発表した。10月中の発売を予定している。
Discoは全長58cm、翼幅115cmの全翼機型のドローンで、全体を発泡樹脂素材(+埋め込まれているカーボンのチューブ)で作られており、重量は約750gと軽量。後部にあるブラシレスモーターと2枚羽のプロペラで推進、主翼後端の動翼(エルロン+エレベーター)で操舵する。
付属のコントローラー「Skycontroller 2」で操縦し、従来のドローン機や一般的なラジコン機と同様の2本のスティックで操作する。機体とコントローラーの接続はWi-Fiだが、マルチコプター型ドローンよりも遠距離に飛ぶことも考慮し、コントローラー前部には大きな平面上アンテナを装備、見通しであれば約2km届くという。機体前端には1400万画素カメラを装備しており、前方のみではあるが空撮(機体内部に32GBメモリーを搭載)、およびリアルタイム映像伝送による飛行機視点(FPV)の映像を見ながら飛ばすこともできる。
従来のマルチコプター型ドローンのBEBOP DRONE用Skycontrollerでもスマホ/タブレット画面を見ながらの操縦はできたが、新たに簡易VRゴーグル「Cockpitglasses」が標準付属する。これは手持ちのスマホをセットするもので、飛行中の映像をFPVで見るだけではなく各種飛行パラメーターの表示が可能。また、あらかじめフライトエリアを設定することもできる。アプリ内課金によるオプション機能にはなるが、ウェイポイントを設定して自律的な飛行を行なうこともできる。
最近のマルチコプター型ドローンと同様に、機体にはGPSや加速度センサー/ジャイロセンサー、地磁気センサー、超音波式高度計、真下の映像から機体の動きを正確に測定するカメラなどを備えている。機体心臓部であるフライトコントローラーは各センサーからの入力を処理して飛行するため、固定翼機とは思えないほどの安定した飛行が可能となっている。
離陸に関しては機体の起動ボタンを押してからコントローラーの発進ボタンを押し、投げ上げれば自動的に所定高度(50m)の高さまで飛び、コントローラーを触らなくても発進地点を中心に旋回。あとはスティックを操作て気軽に飛ばせばよい。飛行機ラジコンであれば一定速度以下になれば揚力が足りなくなって墜落(失速)するが、フライトコントローラーが自動的に判断し失速する速度(+機体姿勢)にはならない。また電波到達範囲を超えそうになったり、あらかじめ設定した距離を超えれば自動的に発進地点に戻り自動で旋回する。
着陸に関しては完全自動とはいかないが、操縦者が約6~10m程度の高さまで高度を落とし、着陸ボタンを押せば自動で最適な着陸を行なう。着陸脚などは持っていないため、やや「ズサーッ」と不時着するような着陸ではあるものの、自動着陸機能の速度の落とし方が上手く、機体が軽いこともあって滑走も数m程度。着陸エリア的には横10m程度、長さ数10m程度の広さがあれば着陸できそうだ(熟練者であれば向かい風を利用し、さらに短い距離で着陸させることができる)。
機体はリチウムポリマーバッテリーで最大45分の飛行が可能。直線速度は最高時速80km程度が可能。製品は機体と充電池、Skycontroller 2と簡易VRゴーグルのセットで19万4400円。また、Skycontroller 2だけではなく、「プロフェッショナル向け」として一般的なラジコンプロポでも飛行させることが可能で、SDKなども用意するとしている。
なお、同時に従来から販売しているマルチコプター型ドローン「BEBOP 2」にもSkycontroller 2とCockpitglassesが接続可能。BEBOP 2とのセットで10万2600円、既にBEBOP 2を持っている人用のSkycontroller 2+Cockpitglassesセットが5万1840円。こちらも10月中の発売を予定している。