18ヵ月間のOSアップデートとセキュリティーアップデートが保証されているAndroid One。以前から主に新興国向けとして海外市場で登場していたが、ついに日本にも投入された。そのファーストモデルにあたるのが、今回紹介する「Android One 507SH」(シャープ製)だ。取り扱いキャリアはY!mobileになる。ともあれ、シャープらしくない雰囲気炸裂の507SHを見ていこう。
独自機能は皆無なシンプルボディー
507SHは5型ディスプレー(720×1280ドット)で、パネルはIGZOを採用している。いつものシャープ製端末と思いきや、マジックグリップなどの独自機能は搭載されておらず、そのかわり国内の需要に対応して防水・防塵、ワンセグを採用している。また、NFCを搭載しているが、おサイフケータイには非対応だ。
外観は、とてもさっぱりしている。本体正面には500万画素インカメラや近接センサーなどを備える定番のレイアウトを採用し、ディスプレーは特殊化学強化ガラスで一定の堅牢性を確保している。背面には1310万画素アウトカメラとLEDライト、右側面に電源/スリープボタンとボリュームボタンが配置されている。ボディーをペタペタと触れているだけでも“シャープ製なんだけど、シャープっぽくない”と体感できるだろう。
スペックは、オクタコアのSnapdragon 617、メモリー2GB、内蔵ストレージ16GB(ユーザー領域約10.5GB)、バッテリー容量3010mAh、microSDXC(最大200GB)にも対応する。中身のシンプルさからNexusシリーズのバリエーションとも言えるだろう。
余計なアプリはほとんどナシのすっぴんOS
現在のOSはAndroid 6.0。Android Oneは定期的なアップデートと毎月のセキュリティーアップデートが確約されており、基本的に最新のOSを使用できる。もちろん期限付きではあるが、そういった仕様に沿うため、ほぼすっぴんのOSが搭載されているようだ。ちなみに、シャープ独自のUIもない。
ベンチマークを見ると、Snapdragon 617としては順当なスコアで、SoCの挙動についてもとくに大きなチューニングを加えていないようだ。また、シャープ端末といえば、バッテリー残量に応じてCPU制御を加えるのがお約束だが、それもなかった。
次に話題のゲーム「ポケモンGO」で動作をチェックした。スペック的に問題なく動きそうだったが、結果としては条件付きになった。GPSのつかみはよく、ハイスペック機との差はほとんどないのだが、ポケストップが密集している地域だと、アプリが固まることが何度かあった。1画面あたりのポケストップ量に応じて、挙動が不安定になる要素は、スペックとネットワーク状況、そしてルアーモジュールの数だ。
ASCII.jpが居を構える飯田橋についた途端、ポケモンGOがフリーズしてしまったので、Wi-FiオンとWi-Fiオフの状態でチェックしてみたところ、いずれもマップが表示されたときに再びフリーズしてしまった。そのため、ネットワークの問題ではないと判断。ルアーモジュールがいくつか接続されているポケストップが多くあり、銀座ではポケストップは多かったもののルアーモジュールの数は少なく、動作は問題なかった。
ことことから、人が多く集まるエリアでのプレーは厳しそうだ。以下スクリーンショットは2016年7月31日のアップデート前のものだが、それ以降でも同様の症状を確認しているため、性能面からポケストップが密集している地域は厳しいかもしれない(今後のアップデート次第では問題が解消される可能性はあるが)。
カメラは純正カメラ以外を推奨したい
ここ数年のシャープ製スマホの純正カメラの性能向上はすばらしいものがある。とくに補正もなく、情緒ある絵を記録してくれるのだが、507SHのカメラアプリは、おそろしくリファレンスに近い。テキトーに撮影してみると、状況を問わずオーバーな設定になる。2015年以降の端末はiPhoneを含み、ちょっとオーバーに出力するのがトレンドだが、507SHはEV+0.7~1.0あたりがザラだ。この場合、設定で回避したくなるのだが、露出補正とHDRくらいしか設定する部分がなく、とりあえず、露出補正-1.0EVを基準にするほかない。
そんな事情もあり、純正カメラではなく、カメラアプリの導入を検討したほうがいいだろう。インカメラも同様なのだが、この場合は逆にオーバーに出力されるぶん、盛った感が出やすい。
※カメラの映像は実寸サイズ(3MB前後)で掲載しています。通信量にご注意ください。
連絡用サブ機にするか、思いっきりカスタムするか
通話専用端末としてみると、スペックは十分だ。加えて、LINEなどのコミュニケーションツールも使える。しかし、軽めのゲーム、たとえばポケモンGOなども条件付きとなってしまう。この点とカメラの性能以外は良好な端末で、使い勝手自体も悪くないし、メーカー独自のアプリもほぼないため、カスタムしやすい。サブ機としての役割はしっかりはたしてくれるし、用途によってはメイン機にもなるだろう。ともあれ、店頭で軽く負荷チェックをしてから検討してほしい。
この連載の記事
-
第518回
スマホ
モトローラの縦折りスマホ最高峰「motorola razr 50 ultra」は強化されたAIが楽しい -
第517回
スマホ
安く買えて普段使いに問題なし! バランスが良いオススメのミドルレンジスマホ3選 -
第516回
スマホ
カメラやAIの性能に違いはあるのか? Xiaomi 14Tと14T Proを使い比べてみた -
第515回
スマホ
日本発売が決定した可変絞りカメラ搭載のハイエンドスマホ「nubia Z70 Ultra」速攻チェック -
第514回
スマホ
2人同時に音楽を楽しめる青春スマホ「nubia Music」に新しい可能性をを見た -
第513回
スマホ
4万円で買えるゲーミングスマホも! コスパに優れたデザインスマホ「realme 13」シリーズがアツイ! -
第513回
スマホ
100倍望遠が実用的なスマホ「vivo X200 Pro」はカメラ性能が変わらず最強だった -
第512回
スマホ
ツァイスカメラ搭載のスマホ「vivo V40」は可変色LEDライトでポートレート撮影も得意 -
第511回
スマホ
価格も性能も妥協したくない人にオススメの王道ハイエンドスマホ3選 -
第510回
スマホ
スマホは高くない! 2万円台で買えるオススメ格安エントリースマホ4選 -
第509回
スマホ
着せ替えスマホ「CMF Phone 1」はカスタマイズが楽しいが実用面での弱点もあり - この連載の一覧へ