いまひとつメジャーな製品になりきれていないスマートウォッチ。Apple Watchの話題も最近はあまり聞きませんし、Android Wearの製品ラッシュもここのところ止まっています。多くのスマートウォッチはスマホとBluetoothで接続して使いますが、単体で通信できない点がスマートウォッチのひとつの弱点なのかもしれません。
海外では単体で通信できるスマートウォッチも多数販売されています。独自OSやAndroid OSを搭載しており、機能はスマートフォンからの通知を受けたり、活動量計として使うなど。
また、実はそんな普通のことより単体で通話ができる点が受けているようです。でも、その多くはGSMのみに対応で、日本では使えません。サムスンの「Gear S2」の韓国・米国版や、LGの「LG Watch Urbane 2nd Edition」など、大手メーカーからは3GやLTE内蔵のスマートウォッチが出ていますが、価格が高いのがネック。もっと手ごろな価格で買える3G搭載のスマートウォッチがあれば、いますぐにでも買いたいって人は多いのではないでしょうか?。
低価格なSoCを使った格安3Gスマートウォッチ
でも、今年になってから、3G搭載のスマートウォッチを開発するメーカーが続々と増えているんです。たとえば、相手先のブランドで製品を開発するODMメーカーが、こぞって3Gスマートウォッチを開発中なんです。ちなみに、それを支えているのがMediaTekの低価格スマートフォン向けSoC「MT6850」。これを内蔵したスマートウォッチがちょっとしたブームになっているようです。
MT6580は新興国向けの50ドル程度のスマートフォン用SoCとして開発されたもの。モデムを内蔵しており、GSMだけではなくW-CDMAにも対応しています。価格も安いためスマホのコストを下げることが可能ですが、それをスマートウォッチに搭載する動きが進んでいるわけです。今年海外で開催された展示会でもいくつかのメーカーが製品を出展しており、価格は200ドル以下も可能とのこと。
単体で通信可能、電池の持ちは1日程度は可能とのこと。テザリングもできるとのこと。SoCがAndroid対応ですから、スマートウォッチのOSもそのままスマホ・タブレット用のAndroidを搭載し、UIをカスタマイズしています。
Android OSですから日本語ロケールの搭載も問題なし。COMPUTEX 2016でODMメーカーをいくつか取材したのですが「日本からの客を見込んで日本語は標準搭載している」という話をするメーカーも。ということは、どこかのブランドからこの3Gスマートウォッチが日本国内で販売される可能性もありそうです。
カメラ付きや子ども向けモデルなど種類はどんどん増えそう
MT6580はカメラもコントロールできますから、スマートウォッチにカメラモジュールを搭載することも可能。前の写真にカメラアプリが見えますが、実際にカメラ内蔵製品を展示するメーカーもありました。
この製品は竜頭(りゅうず)の部分にカメラを内蔵。本当は上部に付けたいものの、デザインがおかしくなることからこの位置への配置となったようです。なお、アプリはAndroid向けのものがインストールできますが、画面解像度が240×240ピクセルのスクエア、しかも形は丸いのですべてのアプリが動くわけではありません。
多機能なスマートウォッチだけではなく、子ども向けの腕時計型携帯電話も3G内蔵製品が増えそうです。この手の製品は中国で数多く売られていますが、GSM対応のみ。しかし、台湾などから3G内蔵のキッズウォッチがいくつか出てきています。
安価な3Gスマートウォッチやキッズウォッチが海外で増えれば、それらが日本に続々と上陸するでしょう。しかも、価格が1〜2万円程度だったら気軽に買えますよね。
また、スマートウォッチはそれほど高速な通信を行なうわけではありませんから、MVNOの低速な格安SIMとの相性もばっちり。いずれは「コンビニでMVNO SIMが内蔵された3Gウォッチが1万円で売られる」なんて日がやってくるかもしれませんよ。
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