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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第227回

クラウドに映像を保存してくれる監視カメラ「SpotCam」を活用する技

2016年06月08日 10時00分更新

文● 柳谷智宣

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録画データはクラウドに保存
いつでも巻き戻して再生できる

 カメラを選択すると、ライブ映像が表示される。現場の音声も再生されるので状況が手に取るようにわかる。特に設定を変えていないなら、そのままずっと録画される。初期状態では、24時間の録画データがクラウドに保存され、いつでもさかのぼって再生可能。この保存期間は有料で延長することができ、3日間で年間39ドル、7日間で59ドル、30日間で199ドルとなり、契約期限を過ぎたデータは破棄される。1日でも無料で使えるのはありがたいところだ。必要に応じてアップグレードするといいだろう。

 カメラの操作画面中央のゲージを戻すと過去の映像を再生できる。ゲージを動かしてからデータを読み込むまで時間がかかるので、しばらく待とう。映像を再生中にカメラのアイコンをタップすると、その時のフレームを静止画として保存することもできる。ライブ映像に戻るには、「Go Live」アイコンをタップすればいい。

登録したカメラを選択する

継続的に録画され、クラウドにデータをアップしている

ゲージを動かして過去の動画を再生できる。もちろん、音声も再生できる

 カメラのスピーカーとマイクを利用して、双方向で会話できるのも大きな特徴。不審者がいる時には、「誰だ! 録画しているぞ!」と言えば、ゆっくり物色できずにさっさと退散する可能性を高められる。留守番している子供に「冷蔵庫締めなさい!」とか、寂しがっているペットに声かけしたりできる。

 操作は簡単。カメラの画面を開き、「通話」をタップするだけ。アイコンが赤く光っている間は双方向通話が可能。もう一度タップすればオフにできる。監視映像に音声が不要な場合は、中央のアイコンの一番左にあるスピーカーをオフにすればいい。

カメラ画面の「通話」をタップすると、音声通話が可能。不審者の場合は驚くこと間違いなし

動体検知や音声検知などでアラートを送ることも可能

 誰もいないはずの留守宅や事務所で、モノが動いたり、音がした場合、アプリの通知やメールでアラートを出してくれる機能がある。監視カメラとして使うならぜひ活用したい。もちろん、人がいるときはアラートがでまくるので、その間はオフにしておくか、オンにする時間帯をセットしておく。また、本製品はインターネット切断も検知して警告してくれるので、カメラのコンセントを引っこ抜かれても気づくことができる。

カメラの設定画面で「アラート」とアラート通知」を有効にする

「アラート通知送信条件」設定画面では、警告する条件や設定を変更できる

アプリを起動していなくても、警告が表示される

登録メールアドレスにも同時にアラートが送られているのですぐに気がつくことができる

「アラートスケジュール」をオンにして「スケジュール編集」で時間帯を設定する

「カメラのON/OFFのスケジュール」の「スケジュール編集」ではカメラをオフにする時間帯を曜日ごとに設定できる

カメラの向きを水平360度、垂直70度で調節できる

 ライブ映像をなぞることで、その逆向きにカメラを動かすことができる。カメラの動きは遅いので、あまり焦って触りまくらない方がいい。遠隔地からカメラの向きを操作できるのは非常に便利。特に、水平方向はプラスマイナス180度動くので、広範囲を監視できる。映像はピンチ操作で拡大・縮小することも可能。また、パトロール機能も備えている。監視したい場所を4ヵ所まで設定し、自動でカメラの方向を変え続けてくれるのだ。

映像をなぞると逆の方向にカメラが動く

「Live」の上にあるアイコンをタップし、パトロール機能のセットが可能。パトロール開始は左上のボタンをタップ

暗くなると、自動で暗視モードに切り替わる

動画を切り出したりタイムラプス動画を作成できる

 任意の部分の動画やタイプラプス動画を作成・ダウンロードできる。監視映像をどこかに提出する際や、ペットの面白シーンが撮れていた場合などに活用したい。これらの操作はブラウザから行なう。動画形式は.flvで、「VLCメディアプレーヤー」などで再生できる。

 動画を切り出す際、直近数分のデータを選択すると保存に失敗することがある。少し時間を置いてから保存するようにしよう。タイムラプス動画を作成できるのも面白い。録画時間やキャプチャー間隔を指定できるので、動画の予想再生時間を確認しつつ、数値を調整しよう。

PCのSpotCamページにアクセスし、「動画の作成」から選択する

動画の範囲を選択して「保存」を選ぶ

タイムラプスの場合は、録画時間を指定する。キャプチャー感覚は2分/5分/10分/30分/1時間から選べる

 以上が、「SpotCam-HD-Eva」の活用法となる。設置と設定が超手軽で、無料で1日分のクラウド利用が可能。カメラを動かして広範囲を監視でき、アラート機能も充実している。カメラの映像を複数ユーザーと共有できるので、店舗・オフィスでも利用できる。また、定点監視などの特殊な用途であれば、映像を公開して全世界の人に見てもらうこともできる。

 実売価格が2万8500円前後とネットワークカメラとしてはちょっと高いが、モノはしっかり作られている。クラウドの反応はちょっと遅く感じることもあるし、アプリが落ちることもあるものの、監視するという目的はきっちり達成できる。手軽に監視カメラの導入を考えているなら、オススメできる製品。選択肢に入れておこう。

動画やカメラへのアクセスを許可する人のメールアドレスを入力して招待できる

全世界にカメラのライブ映像をリアルタイムに公開することもできる


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。


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