問題に先に直面して、それを解決する
風力発電は、まだ普及していない時点では良い面が強調されます。しかし実際に導入してみると、前述のような野鳥との共存という問題が顕在化しました。
だからといって、風力発電が完全に否定されるものではなく、より影響の少ないタービンという新たな選択肢によって問題を解決していくことができます。
もしかしたら、密度の高い風力発電所は、メソ気象、局所気象に対してもたらす影響が、研究で明らかになるかもしれません。たとえば雲ができやすくなったり、逆に乾燥化が進んだり、といった狭い地域での変化が起きていることも考えられます。
いずれにしても、実行に移さなければ、これらの問題を認識することはできませんし、問題が明らかになることもありません。実践することは重要ですし、未知の問題に遭遇することを前提にしておくことも大切でしょう。
選択肢があることは、問題を先回りして経験し、それを乗り越える知恵をつけることいつながる。そんな学びを、最近得たので、共有させていただきました。
それではまた来週。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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