5月20日・21日、AWSのユーザーコミュニティであるJAWS-UGとAWSKRUG(韓国AWSユーザー会)は合同勉強会「AWSKRUG&JAWS-UG Meetup day #01」をソウルで開催した。コアメンバー同士がコミュニティ活動について情報交換した初日のCommunity Dayの模様をお伝えする。
JAWS-UGのコアメンバー、ソウルに渡る
ソウルで開催された今回の合同勉強会はJAWS-UGとAWSKRUGのコミュニティメンバー同士との連携によって実現したもの。JAWS DAYS 2016が開催された3月に急遽決定されたという。
実はAWSKRUGとの連携は以前からあり、過去はAWSKRUGのメンバーがJAWS DAYSで登壇している。今回の目的はJAWS-UGのメンバーが自ら韓国に出向くことで韓国のユーザーグループに謝意を伝えとともに、両者のメンバー間の交流を深めること。また、韓国に先んじて精力的な活動を進めている日本のJAWS-UGのノウハウをAWSKRUGに共有するという狙いも大きい。
会場はソウル市内の江南地区にあるAWSコリアのセミナールーム。JAWS-UGメンバーと共に近くのホテルから会場に向かうと、AWSKRUGのコアメンバーやAWSコリアのエバンジェリストが温かく迎えてくれた。
ソウルリージョン開設後、一気に拡大したAWSKRUG
初日となる20日の午後は「Commuinity Day」ということで、AWSKRUGとJAWS-UGのコアメンバー同士がコミュニティ活動の現状を共有した。日本語が流暢なAWSKRUGメンバーが通訳を担当し、質疑応答まで含め、スムースなコミュニケーションが実現した。
冒頭、AWSKRUGのファウンダーでThe Beatpacking CompanyのCTOを務めるチョン・ミニョンさんは、日本の参加者に対して熱い謝辞を述べる。さらに「今回のイベントをきっかけに、日本のユーザー会からいろいろ学びたい」と述べ、まずは韓国のAWSKRUGの歴史と活動内容について紹介した。
韓国では2011年頃からスタートアップを中心にAWSの導入が進んできたという。当初はIRCのチャネルでユーザー間のコミュニケーションをとってきたが、その後Facebookのグループに移行。初めて4年間で参加者は約5000人にまで拡大したという。その後、今年1月のソウルリージョン開設以降、メンバーは一気に約2000人増加。現在は7500人規模に膨れあがっている。実際、ソウルリージョン開設のインパクトは大きかったらしく、「今までは他のリージョンでは金融機関などは海外にデータが置けなかったが、だいぶ検討が進むようになってきた」(チョンさん)という。
AWSKRUGはソウルで定期的に勉強会や技術イベントを行なっているほか、韓国版のAWS Summitでデモデイを開催したり、re:Inventなど大きなイベントの後には振り返りイベントをやっている。「韓国ではまだまだAWSを初めて使う人が多いので、使った経験を語るという内容が一番多い。最近では東京リージョンからソウルリージョンに移行したという発表もあった」(チョンさん)とのこと。日本のようなSIerが少ない国情を反映し、参加者の6割はスタートアップ、4割がエンタープライズといった内訳だが、コアメンバーや登壇者が偏るのがやはり悩みだという。
コミュニティ発のOSS活動も活発で、EC2向けのSSHツール「Eclair」やLambdaやAPI Gatewayを使ったサーバーレスのWebフレームワーク「noopy」などが公開されている。また、AWSKRUG自体も技術ブログの公開を開始し、メンバーの記事を積極的に投稿する体制を構築した。ちなみに文字ベースのAWSKRUGのロゴは、イラストベースのJAWS-UGのロゴに比べて簡素な印象だが、KRの字に太極旗の赤と白と青をあしらっているとのことだ。
日本と違うのは、AWSKRUGの活動がソウルに集中していること。釜山や済州島などをのぞき、韓国では高速鉄道を使うことでどの都市からも、だいたい2時間でソウルに着く(しかも運賃が安い)。また、人口がソウル周辺に偏っていることもあり、イベントのほとんどがソウルで行なわれる。地方支部が多い日本とは対照的と言えるだろう。