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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2016 第1回

知ったかできる自作パーツ基礎知識【CPU/APU編】

2016年05月23日 10時00分更新

文● 山県

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2015年から2016年の最新CPU事情~AMD編~

 続いて、AMD製のCPU/APUについてみていこう。2012年に発売したAPU“Trinity”、2013年6月には“Richland”。さらに2014年1月には“Richland”の後継となる“Kaveri”を発売するなど、積極的にAPUの新製品を投入してきたAMD。

 その後、しばらく間が空いたものの、2015年5月に初の“Godavari”採用モデル「A10-7870K」をリリースした。

Godavariコア採用のAPU。Kaveriから大きな変更点はなく、従来モデルよりクロックが上昇したのが特徴。そのため“Kaveri Refresh”とも呼ばれた

 2016年3月には、最上位モデル「A10-7890K」の販売がスタート。定格クロック4.10GHz、TurboCore時クロック4.30GHzを実現したAPU最速モデルで、CPUクーラーには高冷却がウリの「Wraith Cooler」が付属する。なお、今後は新コア“Bristol Ridge”へ移行していく予定だ。

2016年になって一部モデルに付属する「Wraith Cooler」。高冷却をうたうが、Mini-ITXサイズのマザーボードによっては、メモリーやビデオカードと干渉する可能性があるので注意

AMD Aシリーズ ラインナップ表
モデルナンバー A10-7890K A10-7870K A10-7860K A8-7670K A6-7470K
ソケット Socket FM2+ Socket FM2+ Socket FM2+ Socket FM2+ Socket FM2+
物理コア数 4 4 4 4 2
論理コア数 4 4 4 4 2
動作クロック 4.1GHz 3.9GHz 3.6GHz 3.6GHz 3.6GHz
TurboCore時クロック 4.3GHz 4.1GHz 4.0GHz 3.9GHz 4.0GHz
2次キャッシュ 4MB 4MB 4MB 4MB 1MB
内蔵グラフィックス機能 Radeon R7 Radeon R7 Radeon R7 Radeon R7 Radeon R5
TDP 95W 95W 65/45W 95W 65W

 さて、本来であればメインストリーム向けとなるはずのSocket AM3+対応のCPU。目新しいところでは、新型クーラーが付属する「FX-8370」がリリースされた程度で、ほとんど動きはない。AMDの次期プロセッサー“Zen”の登場まではこの状況が続くと思われ、AMD党のユーザーはまだまだ辛抱し続ける必要がありそうだ。

歴代の「FX-8370」。すでに3代目のパッケージが採用されている。いつになったら次期CPUの“Zen”が出てくるのだろうか

新規で組むメインマシンは「Skylake」一択か?

 インテル、AMDにかかわらず、新規にPCを組むならSkylakeベースのPCがオススメだ。ソケットが「LGA 1151」になったためマザーボードを購入する必要があるが、対応メモリーはDDR4(一部製品を除く)になりパフォーマンスも向上している。

 Skylake対応マザーなら、M.2やUSB 3.1といった最新インターフェースが利用できる製品がほとんどなので、この機会にWindows 10を合わせて導入というのもありだろう。

上位から下位までラインナップが充実しているインテル。予算に応じたマシンを組める

 AMDのオススメは、“Godavari”採用APUになるが、従来のコストパフォーマンスに優れるというウリが怪しくなってきた。というのも、Skylakeの登場により、インテル製CPUも内蔵GPUのスペックが向上したからだ。

 さらに最近急激な値下がりを見せているDDR4メモリーの価格は、今やDDR3と同等かそれ以下という状況だ。Core i3やCeleronといったローエンドのCPUを使えば、AMDよりも安くてハイパフォーマンスのPCが組めるわけで、APUを使うアドバンテージはなくなりつつある。AMDは、一刻も早い新製品の投入が待たれる。

新製品も少ないAMD。AMD好きのユーザーにとっては苦難の日々が続く

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