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普及期に入ったOpenStackで「市場シェア、マインドシェアともトップを目指す」

レッドハット「OpenStack Platform 8」発表、国内事例も公表

2016年05月18日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 レッドハットは5月17日、商用OpenStackディストリビューションの最新版「Red Hat OpenStack Platform 8(OSP)」と、OSPを含むクラウド基盤ソフトウェアのスイート製品「Red Hat Cloud Suite」の提供開始を発表した。

 同日の発表会では新製品の詳細のほか、日本市場におけるクラウド戦略の中での位置付け、注力業種などがレッドハットから説明された。またOSPの国内導入事例や、OSPを採用したエンジニアドシステム(アプライアンス)の開発についても発表された。

レッドハット 執行役員 サービス事業統括本部 統括本部長の水橋久人氏

レッドハット シニア・ソリューション・アーキテクト OpenStackチームリードの内藤聡氏

新たにCloudFormsやCephストレージも同梱した「RH OpenStack Platform 8」

 OSP 8は、OpenStackの“Liberty”リリースをベースに開発されたディストリビューション。並行開発/動作テスト済みの「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)7.2」と組み合わせて提供される。サポートは3年間。

「Red Hat OpenStack Platform 8(OSP 8)」のアーキテクチャ図

 新バージョンに合わせ、OSPのパッケージングも変更されている。具体的には、ハイブリッドクラウド環境の統合管理ツール「Red Hat CloudForms」や、Software-Defined Storage(SDS)ソフトウェア「Red Hat Ceph Storage」も同梱されている。CloudFormsはOSPの管理のみ、Cephは容量64TBまでという制限があるものの、OSPの価格は従来から据え置きとなっている(CloudForms、Cephはいずれも追加ライセンス購入で拡張可能)。

 また、コミュニティ版OpenStack Libertyとの差異/変更点として、「OSP Director(TripleO)」におけるアップグレード/アップデート自動化機能の改善、IPv6対応拡張、Open vSwitch 2.4.0採用による性能と安定性の向上などがある。アップグレードの自動化では、OpenStackのコアサービスとDirectorサービスの両方に対して、必要なシステム全体のアップデートを自動的に行い、ダウンタイムの最小化とクラウド基盤の安定化を実現する。

 さらにOSP 8では、テレコムNFV向けのテクノロジープレビューとして、インテルのDPDK(汎用ハードウェアによるデータプレーン開発キット)とOpen vSwitchの組み合わせ構成に対応したNeutronプラグイン、リアルタイムKVM、そして「OpenDaylight」SDNコントローラーなども搭載、提供される。

 Red Hat OpenStack Platform 8のサブスクリプション価格は、50万6900円から(2ソケット、Standardサポート、税抜)。

IaaS/仮想化/PaaS/コンテナ基盤を提供する「RH Cloud Suite」も発売

 Red Hat Cloud Suiteは、レッドハットが提供するあらゆるクラウド基盤/仮想化基盤ソフトウェアを同梱したスイート製品となる。上述のOSPやCloudForms、Ceph Storage、RHELに加えて、コンテナアプリケーションプラットフォーム/PaaS基盤の「Red Hat OpenShift Enterprise」、仮想化基盤の「Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV)」、各基盤の統合システム管理ツール「Red Hat Satellite」や「Red Hat Insights」により構成される。

Red Hat Cloud Suiteは、仮想化基盤、IaaS、PaaS/コンテナ基盤のすべてをパッケージしたスイート製品。OSP 8に統合されたCephにより、スケーラブルで安価なSDSが利用できる

 レッドハット シニア・ソリューション・アーキテクトの内藤聡氏は、Cloud Suiteに関しては「極めて戦略的な価格設定を行っている」と紹介した。同スイートの年間サブスクリプション価格は166万3900円(2ソケット、Standardサポート、税抜)からとなっているが、「OpenShiftがおよそ150万円からなので、それに少しプラスすればOSPも付いてくる」(内藤氏)。

 また内藤氏は、社内IaaS環境が必要ならばOSP、加えて仮想化基盤も必要ならば「Red Hat Cloud Infrastructure」、さらにPaaS環境まで必要ならばCloud Suiteと、顧客のクラウド基盤ニーズに応じた選択肢が提供できることを紹介した。

IaaS、仮想化基盤、PaaS/コンテナ基盤と柔軟に選択可能なラインアップ

マインドシェア、市場シェアの両方で「OpenStack市場のトップ」を目指す

 4月に開催された2017年度(2016年3月~2017年2月期)の事業戦略説明会において、同社代表取締役社長の望月弘一氏は、クラウドビジネスでは「年率30%程度の成長」を目指すこと、そのためには国内OpenStack市場で「トップシェアを獲得する」こと、という方針を示している。

 今回の発表会に出席した同社執行役員 サービス事業統括本部 統括本部長の水橋久人氏は、昨年度のOpenStack製品の販売動向として、第1~3四半期にはまだ検討/POC(検証)が中心だったが、第4四半期に入ると本番環境の構築や実業務への適用検討が中心となり、顧客企業においていよいよ本格的な利用が始まったことを説明した。

 「OpenStack領域のビジネスは非常に伸びてきている。今年度はこれをさらに伸ばし、マインドシェア、マーケットシェアの両方で(国内OpenStack市場の)トップを目指したい」(水橋氏)

 またシニア・ソリューション・アーキテクトの内藤氏は、プライベートクラウド領域での戦略として、金融や通信、製造、流通小売を中心として、ITをキーに新たなビジネスチャレンジを行うあらゆる業界の顧客に対し、OSPやCloudSuiteを「イノベーションプラットフォーム」として展開していくと語った。

 具体的には、パートナーとの協業を通じたリファレンスアーキテクチャの構成、導入後すぐに使えるエンジニアド・ソリューション、OpenStackサービスの提供、PaaSレイヤーにおけるDevOpsメソッドの教育/普及といった取り組みを行うという。なお、DevOpsメソッドを通じた課題発見と改善提案、検証評価の支援などを行うコンサルティングサービス「Red Hat Open Innovation Labs」も、同日よりサービス開始している。

プライベートクラウド領域では、ITが新たな企業競争力の源泉となりうる4つの注力業界を中心に、リファレンスアーキテクチャの提供やさまざまな形態での製品提供を行う

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