日本HPは4月27日、NVDIMM(不発揮性メモリ)をx86サーバー「HPE ProLiant Generation 9」でサポートすると発表した。また、最新のプロセッサを採用し、ProLiant Gen9のポートフォリオも刷新する。
NVDIMMは、通常のDIMMスロットに挿入し、メインメモリ+ディスク領域として扱える不揮発性メモリ。電源を落としてもデータが消えない不揮発性と、SSDと比べて2倍のデータベース(DB)書き込み速度を実現。DBや分析ワークロードを加速するよう設計されており、ストレージ性能がボトルネックとなるようなアプリに最適という。
業界標準である「NVDIMM-N」技術を基としている。これは1枚にDRAMと不発揮性メモリを両方搭載したもの。OSにストレージとして見せ、通常時はRead/Writeを高速に行う。電源OFF時にはDRAM上のデータを不発揮性メモリにバックアップ。電源ONになったらDRAM上に復元し、再びDRAMがOSとデータのやり取りを行う。このため「NVDIMM-N」は高性能・小容量のデータ保護に向いているという。
「CPUの性能向上にストレージの性能向上が追いつかず、I/Oボトルネックが生じている。この性能ギャップを解消するためにフラッシュストレージテクノロジーの開発を進めてきたが、アプリ性能をさらに最適化する新技術として、NVDIMMを他社に先駆けて発表する」(サーバー事業統括本部 サーバー製品統括本部の岡村清隆氏)
併せて、最大22基のコアと最大2400MT/秒のメモリ速度をサポートするように設計された最新プロセッサ「Xeon E5-2600 v4」を採用。最大25%の性能向上を果たした。メモリも従来のDDR4 2133と比べてスループットが23%向上された「DDR4 2400」に刷新。2016年中旬に128GBメモリも発売し、1Uで最大3TBメモリまでサポートできるようにする予定という。
これらスペックの向上に伴い、ProLiantのラインアップを一新。タワー型、ラックマウント型、ブレード型、高密度スケールアウト型の4種類において、計20サーバーシリーズを提供する。
サーバー事業統括本部 サーバー製品統括本部 統括本部長の本田昌和氏は「今後、新技術の活用・普及を促進するエコシステムを構築していく。2016年夏にHPEソリューションセンターにてアプリ検証環境を提供するほか、システムエンジニアの拡充、パートナートレーニング、リファレンスアーキテクチャやホワイトペーパーの作成を進めていく」と述べている。