今日も前回紹介したニューヨーク発のコーキングスペース、WeWorkバークレーで1週間の仕事をスタートさせました。
日本はまもなくゴールデンウィークですよね。連休を使ってサンフランシスコを訪れる友人たちも何人かおり、彼らにとっては、ちょうど日本の五月晴れのような気候と、夜8時半まで明るい日の長さで、旅行を思い切り楽しめるのではないかと思います。
できれば筆者も、週の前半に仕事を片付けてしまいたいところです。
筆者は個人的には、さほど「ブルーマンデー」という言葉に同意できません。とはいえ、ここアメリカでもブルーマンデーという言葉は毎週聞かれます。日本の場合、ただ「頑張れ」だけで済まされそうですが、アメリカではそのブルーマンデーの感覚を楽しんでいるようにも感じています。
月曜日をそれを乗り切るための何か、朝一番の瞑想や、10時のおやつ・ちょっとよいランチの提案などなど。人の気分が習慣や消費を作り出すのだなあ、という風景に触れることができます。
筆者が4月から利用しているコワーキングスペース、WeWorkでも、ブルーマンデーを乗り切ろうとロビーには小さくて可愛らしいスコーンが置かれていましたし、またランチタイムには「PG&E」プレゼンツのピザランチが予定されています(います、というのはこれを書いているのがまだ午前中だからです)。
停電で迎えたバークレーの月曜日の朝
ところが、筆者が家を出て、徒歩15分ちょっとの通勤をしている最中に、街に異変が起きました。バークレー全体が停電してしまったのです。
街中の家や店舗の電気は消え、道の信号まで消灯しており、信号がない中、顔を見合わせながら慎重に交差点を通って行く車の様子がありました。ヘリコプターは上空を飛び回り物々しい雰囲気に。おそらく生放送で中継しているのでしょう。ヘリが飛ぶと何かがあったという理解で良さそうです。
米国の場合、ヘリの騒音は銃がらみの事件や危険なカーチェイスを察知する手段、ある種のアラートの役割を担っています。ただ、携帯電話のSMSにバークレーの警察からアラートメッセージを受け取ることができるので、そちらのほうがスマートだなと感じていますが。
さて、停電の話です。あまり高い建物がないバークレーにおいて、7階建てのWeWorkは高い部類に入ります。もちろんエレベーターは利用できず、Wi-Fiも電源もありません。しかもあらゆるところにカードキーロックが施してあるため、電気がない環境は極めて不便な状況です。
普段はメンバーに楽しみを与えているスタッフも、今日ばかりは緊急モード。さまざまなところへ連絡をしながら、情報収集と早い復旧を試みています。とはいえ、街ごと停電なので、彼らも含めて、復旧を早めることはできません。
そこで、サンフランシスコに6ヵ所あるもWeWorkの拠点のうち、「Transbay」を受け入れ拠点にして、すぐに仕事の環境が必要な人は、そちらへ移動するようにと伝えられました。
ただ、バークレーからサンフランシスコ市内へは、高速鉄道BARTを利用するのですが、停電しているダウンタウンバークレー駅は「通過」扱いで電車には乗れません。そこで、移動手段としてUberを利用していました。WeWorkがクルマを呼べば、利用者は支払う必要がありませんから。同じように、早く家に戻りたい、という人に対しても、無料Uberの手配がありました。
スマートフォンのバッテリーがあって、ケータイのネットワークさえ生きていれば、Uberは利用できたのです。もしも停電が半日以上に長引いてくると、基地局も人々のデバイスも電源の問題が生じてきてしまうでしょうが、朝からの停電で、街の固定系のインフラから切り離されている「モバイルインフラ」というレイヤーの存在に、改めて気づくことができました。
この連載の記事
-
第264回
スマホ
ライドシェアにシェアバイク、これからの都市交通に必要な真の乗り換え案内アプリとは? -
第263回
スマホ
Amazonが買収したスーパーマーケットで生じた変化 -
第262回
スマホ
日産「はたらくクルマ」でみたテクノロジーでの働き方改革 -
第261回
スマホ
WWDC19で感じたのは、体験をもとにアップルがサービスの整理整頓を進めているということ -
第260回
スマホ
LoTで、いかにして世界から探し物をゼロにできるか?:Tile CEOインタビュー -
第259回
スマホ
ファーウェイ問題で感じたテクノロジーと国家対立の憂鬱 -
第258回
スマホ
スマホでの注文が米国でのスタバの役割を変えた -
第257回
スマホ
10連休に試したい、ゆるやかなデジタルデトックス -
第256回
スマホ
人によって反応が異なるドコモの新料金プラン -
第255回
スマホ
「平成」と「令和」 新元号発表の瞬間の違い -
第254回
スマホ
Adobe Summitで語られたAdobe自身のビジネスや開発体制の変化 - この連載の一覧へ