各拠点のWAN/VPN/LANプロビジョニングを集中管理、アプリケーションごとのパス最適化も
リバーベッドが“SD-WAN以上”を目論む「SteelConnect」発表
2016年04月27日 06時00分更新
リバーベッドテクノロジーは4月26日、Software-Defined WAN(SD-WAN)の新製品となる「Riverbed SteelConnect」を発表した。WAN、拠点LAN、クラウドネットワークをまたぐ分散的なネットワーク環境に対し、“アプリケーション中心”の考え方で自動化/オーケストレーションされた接続性を提供していく。
リバーベッドでは今年1月、SD-WANソリューションの独Ocedoを買収していた。今回のSteelConnectはそれを同社ソリューションに統合して提供するもので、同日よりアーリーアクセスプログラムを開始するとともにリバーベッドプラットフォームへの統合を進め、今秋には一般提供を開始する予定。
リバーベッド 営業部長の伊藤信氏は、企業のクラウド利用やモバイル利用が徐々に進み、従来の単純な企業内~外というネットワーク構成が変化しつつある中で、ネットワークの構成や管理、利用の最適化といった作業が複雑化していることを指摘。SteelConnectで「この課題を解消する」と語った。
Riverbed SteelConnectは、クラウドベース(オンプレミス導入も可)で集中管理を行うGUI管理コンソールと、各拠点に配置するセキュアゲートウェイにより構成される。管理コンソールで設定したポリシーが各拠点のゲートウェイに配信され、ゼロタッチでのWAN/VPNプロビジョニングや、無線LANを含むLAN設定が可能になる。同時に、各拠点からネットワークの稼働状況が収集され、管理コンソールでの一元的な可視化が実現する。
SteelConnectの大きな特徴は、1300種類以上のアプリケーショントラフィックを識別し、設定されたポリシーに従って最適なネットワークパスに振り分けることができる「パスセレクション」の機能だ。たとえば「すべての業務アプリケーションのトラフィックは安全なVPNを使う」「ソフトウェアアップデートにはブロードバンドインターネットを使う」といった、アプリケーションごとの最適なパス構成を容易に指定できる。
また、同社のWAN最適化製品「SteelHead」との連携(サービスチェイニング)機能も提供され、特定のアプリケーショントラフィックにWAN最適化を適用することもできる。一般提供開始前にリリースするバージョン2.0において、こうしたアプリケーション判別やWAN最適化、品質ベースでのパスセレクションなどを実現していく。
リバーベッド テクニカル・アライアンス・ディベロップメントマネージャーの中島幹太氏は、「SteelHead、SteelCentralなど他製品との連携を可能にし、SD-WAN“以上”のことを実現していくのがSteelConnectの戦略だ」と語った。
「(他社の)SD-WAN製品でも、WANを選択してデータセンター/クラウドと接続するということはできる。だが、リバーベッドではWAN回線の品質も向上させる。こうした部分に違いがある」(中島氏)
なお、SteelConnectのアーリーアクセスプログラムへの参加は、同社サイトで受け付けている。