このページの本文へ

「SteelHead 9.0」「SteelCentral Appresponse 9.5」で自動パス選択機能など追加

リバーベッド、SteelHead新版は“アプリごとに通信最適化”

2014年11月19日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 リバーベッドテクノロジーは11月18日、主力製品の次期バージョンである「Riverbed SteelHead 9.0」、および「Riverbed SteelCentral AppResponse 9.5」を発表した。新たに個々のアプリケーショントラフィックを識別する技術を備え、アプリケーションごとの最適な通信パスの自動選択やQoS制御を実現する。

 リバーベッドでは、今年5月からすべての製品シリーズを“Steel”ブランドに統一している。主力製品であるSteelHeadの「WAN最適化」分野だけでなく、「ネットワークパフォーマンス可視化/診断」「アプリケーションパフォーマンス可視化」「ADC」の各分野でも製品群を揃え、アプリケーションパフォーマンスの包括的なインフラを提供している。

リバーベッドでは、アプリケーションパフォーマンスの包括的なプラットフォームを提供している。SteelCentralはこのプラットフォームの統合管理製品

 今回のアップデートでは、SteelCentralの集中管理機能と、オンプレミス/クラウド/SaaSを問わない1100以上のアプリケーショントラフィックを識別する「Appflowエンジン」技術をベースとして、さまざまな新機能を実現している。

SteelCentral Controllerのダッシュボード画面(左)とアプリケーショングループに割り当てられたネットワークパスのステータス(拡大)

 たとえばSteelHead 9.0では、新たに「パスセレクション」機能が追加されている。これはアプリケーションごとに、どのネットワークパスを使って通信するかを自動選択する機能だ。これにより、専用線/インターネットVPN/ローカルインターネットアクセスなど企業が保有する回線を効率的に利用し、重要度の高いアプリケーションのパフォーマンスを維持することができる。同様に、QoSポリシーも適用できる。

 なお実際には、アプリケーションはビジネス上の重要度や要求品質に応じて9つのグループに分類されており、このアプリケーショングループごとにルールを適用するかたちとなっている。

 またSteelCentralでは、各拠点に設置されたSteelHeadからトラフィック情報を収集し、アプリケーションごとのパフォーマンスを詳細に可視化できる。たとえばSaaSでパフォーマンス劣化が生じたときに原因がSaaS(クラウド)側にあるのかネットワーク側にあるのかを調べたり、グローバルに展開する各拠点からユーザー視点でアプリケーションのパフォーマンス調査を実施して一元表示したりすることが可能だ。

 発表会に出席したリバーベッド リージョナルセールスマネージャーの伊藤信氏は、今回の発表は「アプリケーションの可視化/管理と、WAN高速化を組み合わせたらどういうことができるか、というものだ」と説明した。

リバーベッド リージョナルセールスマネージャーの伊藤信氏

 「今日の発表は、本来クラウド(SaaS)利用時にはできないはずの『遅延に対する確約』『ネットワークパスコントロール』『帯域幅の確保』『QoS』『ネットワーク可視化』といったものを、リバーベッドのソリューションで実現したもの。つまり最適化、可視化、制御の能力をクラウドにもたらす」(伊藤氏)

■関連サイト

カテゴリートップへ