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現場に聞いたAWS活用事例第6回

リアルタイムなデータ分析と施策創出のためにDB移行を決断

レプリカラグ解消とコスト削減が大きかったFlipdeskでのAurora導入

2016年04月22日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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スマホ向け販促プラットフォーム「Flipdesk」を提供するSocketは、サービスの基盤となるデータストアをMySQLからAWSのマネージドデータベースサービス「Amazon Aurora」に移行した。移行を担当したSocketのエンジニアに、Aurora選定の理由や移行の苦労、導入効果などを聞いた。

チャットからスタートし、ECサイトの接客機能を充実させたFlipdesk

 Flipdeskは、「リアル店舗と同じような接客をECサイトで実現する」というコンセプトを持ったスマホ向けの販促プラットフォーム。サイト上での顧客の行動をトラッキングし、クーポン発行やお知らせ配信、チャットでの対応など、最適な施策を打つことができる。これにより、コンバージョン率(CVR)を向上し、顧客満足度、単価向上に寄与するという。導入事例も豊富で、総合ECサイトやアパレル、メディア、人材派遣、教育サービスなど幅広い。

 FlipdeskはもともとEC事業者とユーザーをつなぐチャットツールからスタートし、EC事業者ごとのニーズに合わせる形でさまざまな機能を追加してきた経緯がある。Socket執行役員 CTO&アートディレクター 生内洋平氏は、「チャットはWeb接客の最たるツールなんですけど、やはり人手がかかるんです。常時チャット用のオペレーターを配置するのも難しい。EC担当者は本当に忙しく、時間がないということを、お客様とのやりとりの中で理解しました」と語る。

Socket執行役員 CTO&アートディレクター 生内洋平氏

 こうしたニーズを踏まえ、EC担当者がとにかく手間をかけずに接客できるツールを作ろうということで、同社はFlipdeskの機能を拡充。まず、Webでのアクセスログとユーザーの購買履歴、カート内の商品、Flipdesk自体の利用履歴という4つのデータから顧客行動を分析できるようにした。「サービスは違うのですが、アーキテクチャはアドサーバーに近い。たとえば、カートに商品を入れたままとか、同じページを詳細にチェックしているお客様は買うのを悩んでいるだろうとか、そういった行動を追って、お客様をセグメント化し、施策を打てる機能を作ったんです」と生内氏は語る。

 具体的な施策に関しても、クーポンを出したり、キャンペーン告知をポップアップで表示したり、フローティングボタンの文言を変える機能などを拡充した。顧客行動の分析とユーザーの行動に応じた最適な施策によって、よりCVRを上げることが可能になる。「ランディングページを変えてA/Bテストするといった大がかりな作業をやらなくとも、もっとカジュアルな施策を通じて、どうしたらCVRが上がるのかを検証・実施することができるようになります」(生内氏)。

スマートフォーム向けのWeb接客プラットフォーム「Flipdesk」

急成長で増えるトラフィックにデータベースが追いつかない

 こうしたサービスの強化とともに、ユーザー数は急拡大し、Flipdeskのバックエンドもトラフィックが大きく変わってきている。Socket シニアエンジニアの石井那由他氏は、「チャットのみを提供していた時代はカスタマーサポートなどがメインで、トラフィックもある程度限定的でした。現在ではお客様がいろいろな使い方をされるので、トラフィックが非常に多くなってきたんです」と語る。

Socket シニアエンジニア 石井那由他氏

 特に石井氏がSocketにジョインした2015年の初頭は、Flipdeskが急激に成長した時期。そこでSocketはHerokuベースだったシステムを、Amazon Web Services(AWS)に移すことに決める。「AWSはサービスの種類が多かった。Flipdeskで使っているサービスも多かったので、将来を考えるとAWSしかありませんでした」(石井氏)。この段階でアプリケーションのデプロイや運用をAmazon Elastic Beanstalkに任せ、データベースのMySQLもマネージドサービスであるAmazon RDS for MySQLに載せ替えたという。

 しかし、年末に近づくにつれ、RDS for MySQLの拡張性が頭打ちになってきたという。石井氏は「MySQLのリードレプリカ構成でスケールを拡大してきたのですが、インスタンスを増やし続けて、2015年の末これ以上もう増やせないという壁にぶち当たってしまった。ディスクからの読み込み性能もRDS for MySQLでは限界でした」と語る。そこで検討し始めたのが、2014年末のre:Inventで発表されたAmazon Aurora(以下、Aurora)だ。

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