対応するサービスが限られる
まず、すべてのコンテンツで、Chromecast Audioが使えるわけではありません。そして、前述のメリットが活かせるのは、Chromecast Audio対応のアプリを公開しているサービスだけです。
対応しているのは「Google Play Music」「AWA」「うたパス」といった聴き放題サービス、そして「NPR One」や「TuneIn Radio」といったストリーミングラジオに限られます。
ちなみに聴き放題サービスとしては、Spotify、Pandora、RhapsodyもChromecast Audioに対応していますが、日本ではサービス自体が締め出された状態なので、どっちにしても使えません。ついでに言うなら、Amazon Prime MusicやApple Music(つまりiOSの「ミュージック」)のアプリはChromecast Audioに対応していません。商売敵なので当たり前です。
なお、Androidの場合は、Chromecast Audioの設定に使う「Chromecast」アプリに「画面や音声をキャスト」というメニューがあります。これを使うと、スマホの再生音をChromecast Audioにそのままストリーミングできます。つまりBluetoothと同じように使えるわけですが、「ネットブラウズ中に動画のような音の出るコンテンツに出会っても再生中の音楽を止めなくていい」という前述のメリットは帳消しになります。
そしてiOS版「Chromecast」アプリには、今のところ「画面や音声をキャスト」メニューはありません。したがって再生できるのは対応しているサービスのみ。Androidをお使いの方は、Bluetoothレシーバー代わりに買っても損はしませんが、iOSをお使いの方は、そこら辺をよくご理解の上、お求めください。
お求めになる場合ですが、AmazonではChromecast Audioを扱っていません。ビジネスは戦いです。
パソコンの場合は、Chromecast Audio対応の「Google Cast拡張機能」をインストールしたGoogle Chromeで再生できます。これはWindowsでもMacでも、Chromeをインストールして使えというGoogle様のメッセージでしょう。
次回は、パソコンで接続した場合の使い勝手も含め、そのほかのメリットをチェックして行きたいと思います。
著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ