課題はVR酔いや体験を理解してもらう難しさ
一方で、気になった点もある。ゲームはおもしろいのだが、VR酔いをともなうゲームが少なくなかったようにも思えたところだ。
ロボットを操作して競うシューティングゲーム「RIGS: Machine Combat League」は、スポーツ的な要素を組み合わせたゲームだ。3対3のオンラインマルチプレーでもあるため、対戦は非常におもしろい。しかし、5分ほどのプレー最中に、VRには比較的慣れている筆者でも、VR酔いを感じた。PSVRを外すとちょっと気持ち悪さが残った。
ゲーム内容的に、真横に移動したり、ジャンプを通じて視点が急激に変わったりする、VR酔いを引き起こしやすい動作表現が、ゲームの途中で多用されていたために酔ったものと思われる。
対戦は本当におもしろいために、途中でやめる気にはならない。少々気持ち悪くても、遊んでしまう。ただ、長時間遊び続けられるかどうかは、自信がない。
発売されたときには、VR酔いについての指摘は、このゲームでは発売後にかなり出るだろう。そのため、ゲームが優れていても、VR酔いを理由に避けられてしまうケースは少なからず出てくるだろうと感じられた。
またどのVRハードでも変わらない点だが、PSVRの普及の課題は、その魅力を簡単に伝えることが難しい点だ。
今回の会見は、招待メディアのみに限られ、参加人数も少なかったために、筆者は3時間あまりの時間を使って、じっくりとプレーすることができた。ただし、こうした機会に恵まれることは非常にまれだ。実際に、GDC会場で行なわれている、PSVRの展示には長い行列ができており、簡単に遊ぶことができない状態になっていた。
PSVRは、被っていない人がテレビモニターを通じてどのような画面を見ているのかを見ることが可能なモードを搭載している。しかし、それでも、その画面を見ても、実際にPSVRを被って体験してみると、まったく映像で得ていた印象と違うことが少なくない。そのため、スクリーンショットも、動画も、VRコンテンツの質を判断するためには今のところは、あまり役に立たない。
自分が実際に体験してみて、本当に優れているかどうかを判断するしかないのだ。しかし、だからこそVRが特別な体験であることも間違いない。
2010年代に入ってから、家庭用ゲームは、スマートフォン向けのゲームに押され続けているという状態だったが、VRという家庭用ゲーム機を活かす新しいハードが登場したことで、状況は変わりつつある。再び独自の地位を生み出すことに成功する可能性も感じられる。
10月の発売が、本当に楽しみに思えてならない。
ASCII.jpの最新情報を購読しよう