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試用開始から3日で採用を決定、その決め手はどこにあった?

商社の情シスがNW監視ツールにソーラーウインズを選んだ理由

2016年04月11日 11時30分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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「つながってはいるけど、スピードが遅い?」という悩みから始まった

 化学品を中心に扱う商社として1925年(大正14年)に創業したCBC。現在では化学品のほかに電子部品や医薬品、農薬など、合計6分野にビジネス領域を広げている。国内に7拠点、海外に28拠点を構える同社は、商社機能だけでなくメーカー機能(開発/製造機能)も併せ持ち、顧客ニーズにフォーカスしたサービスを提供する“創造商社”として成長を続けている。

CBCは、商社機能と開発/製造機能を併せ持つ商社だ(画像は公式サイト)

 「そもそものきっかけは、老朽化した社内ネットワークの更改プロジェクトでした」と語るのは、同社のSystem Solution Group(情報システム部門)課長の松里政貴氏だ。同部門では本社を含む国内7拠点の業務ITを管理しており、松里氏自身はネットワークやサーバー、仮想化環境といったITインフラ周辺の管理を担当している。

CBC コーポレートディビジョン System Solution Group 課長の松里政貴氏

 今回のネットワークリニューアルでは、新時代のIT活用の基盤となるLAN(有線/無線)、WAN、インターネットの全面的な刷新を図っていく。その第一弾として昨年夏、新しい無線LANシステムの導入作業を進めるうちに、思わぬトラブルが発生した。

 「新たに802.11nの無線LAN機器を導入したのですが、テスト運用してみたところ、思ったよりも通信スピードが出ないのです。導入を手がけたベンダーにも調査を依頼したのですが、調査のときにかぎって速度が低下する不具合は再現せず、原因もはっきりしませんでした」

 このような「ネットワークはつながっているものの、なんとなく遅い」という状態が一番やっかいだと、松里氏は言う。

 「ベンダー側は、無線LANがつながるまでは面倒を見てくれますが、パフォーマンスまでは保証してくれず『現状が精一杯なのでは?』と言います。一方でこちら側も、きちんとパフォーマンス監視ができているわけではないので、漠然と『でも実際に遅いのだが……』と感覚的な話しかできません。あらためて、継続的なパフォーマンス監視の必要性を痛感しましたね」

 それまでCBCでは、古い国産のネットワーク監視ツールを導入していたが、そのツールはネットワークの死活監視しかできず、パフォーマンス監視は行えていなかった。

 「死活監視だけのツールなら必要ないんです。ツールがアラートを上げるよりも先に、社内のユーザーからクレームの電話が来ますから(笑)」

 さらに、この数年間でサーバー統合を行い複雑化した仮想化環境や、個別ツールで管理しているファイアウォールでもしばしば通信トラブルが発生していた。加えて、無線LANの導入が終わると、次は有線LANやWAN、インターネットの更改も待っている。将来的なクラウド活用も考えると、ネットワークやファイアウォールの安定的な運用は必須になる。

 松里氏は、このタイミングでネットワーク監視ツールもリニューアルし、ネットワークのヘルスチェックが継続的に行えるような運用環境にすべきだと考え、新たな監視ツールの製品選定を始めた。

さまざまなツールを試用、ふとしたきっかけでソーラーウインズを発見

 ネットワーク全体の稼働状態を統合監視することができ、最小限の運用負荷で最大限の効果が得られるようなツール。松里氏が望んでいたのはそんな監視ツールだ。「導入後はベンダーの手を借りずに自分たちの力で運用したい、という思いもありました」。

 しかし、SIベンダーからの提案の多くは死活監視ベースのツールだった。また導入コストのかからないオープンソースのツールも試してみたが、監視設定などに手間がかかり、自らの力量では「安定的な運用は難しそうだ」と判断した。

 製品の探索と検証を繰り返す中で、松里氏はふと「海外製品も見てみよう」と思い立った。かつて、海外製のあるバックアップソフトを導入し、その品質やサポートに満足した経験があったからだ。そして、ソーラーウインズの「ネットワーク パフォーマンス モニター(NPM)」に出会う。

 「海外の製品レビューサイトを見ていたところ、ソーラーウインズのNPMというツールを発見しました。さっそく無料の試用版をダウンロードし、検証環境へのインストールはその日のうちに完了。基本的な設定もウィザード形式でとんとん拍子に進みました」

 NPMを試用して、松里氏が最初に驚いたのが「すぐに無線LANのヒートマップが出てきたこと」だったという。そのほかにも、ネットワークマップを描くツールが使いやすいこと、全体を見渡すダッシュボードから各ノードの詳細情報へ直接ドリルダウンできることなど、他製品にはない特徴、わかりやすさが気に入った。「機械室の隅に転がっていたスイッチのファンが故障している、なんてことも試用中に発見できました(笑)」。

ソーラーウインズのNPMは無線LANヒートマップの機能も備える(画像はサンプル)

 NPM試用版の試用期限は30日間あるが、松里氏は試用を開始してからわずか3日ほどで、購入を前提としてソーラーウインズにコンタクトを取った。結局、試用版をダウンロードしたのが昨年7月、CBCが本番ライセンスを購入したのが9月というスピードだ。

「実際の業務に即した監視業務がやりやすく、全体像が見通せるツール」

 本番導入後、まだ半年程度のユーザー歴だが、松里氏はNPMをかなり便利に使いこなしているようだ。

 「マップ作成機能もそうですが、実際の業務に即した監視作業をやりやすいツールだと思います。ダッシュボードのカスタマイズも自在ですし、アラートを上げてほしくない特殊なノード(開発用マシンや複合機など、頻繁に停止/スリープするノード)の除外設定も簡単にできました」

 さらに「システムの全体像」が俯瞰できるようになったことで、「管理者としての心の平安が得られた」と笑う。

 「『なんとなく遅い』『なんとなく不安定』といったトラブルは、全体像が見えないとなかなか解決できません。これまでは、全体像が見えているようで見えていなかったんでしょうね」

 ちなみに、無線LANが遅いという当初の問題は、モバイルデバイスのOSバージョン、無線LAN側の設定など、複数の要素が絡み合った複合的な原因だったという。これも、ネットワークの全体像が見えなければ解決の難しい問題と言えるだろう。

 実は、CBCではNPMと同時に「ネットフロー トラフィック アナライザー(NTA)」や「ヴァーチャライゼーション マネージャー(VMAN)」「ストレージ リソース モニター(SRM)」「Webパフォーマンス モニター(WPM)」といった、他のソーラーウインズ製監視ツール群も導入している。一部はすでに活用し、効果も出ているが、本格的な活用はこれからだと松里氏は語った。

 「これから実際に使い続けながら、当社で必要な機能を取捨選択していこうと思っています。無線LANも含めて全体が見通せるツールはなかなかありませんから、できれば長く使いたいと。国内ユーザーがさらに増えれば、より良い製品になっていくのではないでしょうか」

(提供:ソーラーウインズ)

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