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マイクロソフト・トゥディ 第182回

LGBTとAllyへの理解、行動を推し進める日本マイクロソフト

2016年02月25日 10時00分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉

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 最近日本でも注目を集めているLGBT(Lesbian、Gay、Bisexual、Transgender)。日本マイクロソフトは、LGBTに先進的に取り組んでいる企業のひとつである。

外見だけでなく、生い立ちや価値観、
性格も含めての“ダイバーシティ(多様性)”

 マイクロソフトの社内には、GLEAM(グリーム)と呼ばれるコミュニティがある。「Gay, Lesbian, Bisexual, Transgender Employees At Microsoft」の略称で、「LGBT」と呼ばれる性的少数者の社員が、差別されることなくひとりひとりが生き生きと働ける環境を実現するとともに、LGBTの人たちに最適化した制度の運用を目指すものだ(余談ながら、“gleam”という英単語はきらめきやひらめきなどを意味する)。

 ダイバーシティ&インクルージョンを積極的に推進するマイクロソフトでは、性別、年齢、国籍といった外見でわかる属性だけで人を捉えるのではなく、表面的には見えない生い立ちや価値観、性格といった内面もダイバーシティに含めて捉えているのが特徴だ(ダイバーシティは、多様性を意味する言葉。またインクルージョンは、包括、一体性などの意。多様な人材の雇用/育成が焦点のダイバーシティをさらに推し進め、組織/制度作りへの参加をもうながすというもの)。

 「人種、国籍、年齢、障碍、性的指向、性同一性、価値観、働き方などに捉われず、社員が仕事を通じて成長できることを目指すのが、マイクロソフトのダイバーシティの基本的な考え方」(関連リンク)だとする。

 実際マイクロソフトには、7つのグローバル社員コミュニティ(Global Employee Resource Group)がある。女性、ワーキングペアレンツ、障碍者、アジア人、黒人、ヒスパニック・ラテン、そしてLGBTである。多様性を持ったグローバル企業であるマイクロソフトならではのコミュニティの存在だといえ、各コミュニティとも働きやすい環境の実現などに向けた活動を行なっている。この中でLGBTに対応する組織が、GLEAMというわけだ。同コミュニティには、全世界で2000人以上が参加しているという。

 

マイクロソフトとGLEAMの活動の歴史

 マイクロソフトが、LGBTに取り組んだ歴史は古い。

 1993年に、米国本社において非差別化政策として性的指向を追加するとともに、GLEAMの活動を開始。米国内において、同性をパートナーに持つ社員を正式に雇用する唯一の企業となったのをはじめ、それ以来、LGBTに関する社内外の活動に積極的に参加。様々な都市や国におけるイベントへの参加や、LGBT関連組織へのソフトウェアの寄付活動などを行なってきた。HRC(ヒューマンライツキャンペーン)からは、企業平等指数で100を達成した企業として認定されている。これは、2016年で10年連続という偉業だ。

2013年4月にGLEAM Japan結成、対外的な支援活動も

 日本においては、2013年4月にGLEAM Japanが結成され、同年11月には人事部門においてもLGBTに関する取り組みを開始。2014年12月以降、幹部社員や人事部門などを対象にしたセミナーを実施し、日本マイクロソフト社内における意識の向上を図るとともに、2015年3月には、役員自らがGLEAM Japanのエグゼクティブスポンサーに就任。日本におけるコミュニティ活動を全社をあげて支援をする体制を整えた。

 2014年からは、LGBTをはじめとする性的少数者、およびAlly(アライ、非当事者サポーター)を対象にした東京レインボープライドへの参加を開始し、対外的な支援活動にも乗り出している。

 2015年4月25日〜5月6日に開催された「東京レインボープライド 2015」は、会期中の12日間に、パレードをはじめとして約60のイベントを実施。のべ6万人が参加するものとなった(関連リンク)。そこに、日本マイクロソフトの社員も参加し、LGBTのコミュニティ形成や社会への認知度を高めるための活動を行なった。

「東京レインボープライド 2015」に日本マイクロソフトの社員も参加

 さらに、2015年4月および9月には、LGBTへの理解を深めAllyを社内に増やすことを目的にGLEAM Japanが中心となって社内イベントを開催。9月にはAllyへの理解を促進するためのパンフレットとステッカーを作成し、全従業員に配布。PCやスマートフォン、IDカードなどに貼れるようにしたという。

2015年4月および9月には、LGBTへの理解を深めAllyを社内に増やすことを目的にGLEAM Japanが中心となって社内イベントを開催

社内配布パンフレット

日本マイクロソフトの樋口泰行会長が仕事で使っているSurfaceにも、社内で作成した「LGBT」に関するシールが貼られている

 また2015年7月の社員総会では、ダイバーシティ&インクルージョンの活動の一環として、同社2016年度(2015年7月~2016年6月)もLGBTへの取り組みを継続的に推進していくことをコミット。同年8月に開催した、社員の家族を品川本社オフィスに招く「ファミリーデイ」においても、GLEAM Japanや人事部門が協力してブースを出展するなど、全社員やその家族にまでLGBTに関する理解促進を働きかけている。

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