複数のメーカーがタブレットに期待
複写機の需要も好調だ。大塚商会の連結業績によると、複写機は2015年度通期の販売実績が前年比10.7%増の4万1384台に対して、第4四半期は前年同期比20.5%増の1万1749台、そのうち、カラー複写機は、通期が前年比13.6%増の3万8391台に対して、第4四半期は前年同期比22.6%増の1万986台というように、第4四半期がさらに大きく成長しているのだ。
そして、タブレットの成長も堅調だという。「タブレットの業務利用が広がり始めている。PCとタブレットの中間のような製品も登場し、それもタブレットの用途を広げることにつながっている。一方で、PCとタブレットは用途が違うということも浸透していくことになるだろう。PCの需要の上に、新たにタブレットの需要が乗っかることになり、クライアント端末全体での成長が見込める」とする。
実は、JCSSAが1月26日に開催した新春特別セミナーでは、「2016年 わが社の製品・販売戦略」と題して、日立製作所、ソニーマーケティング(VAIOを含む)、レノボ・ジャパン、NEC、日本マイクロソフト、日本ヒューレット・パッカード、日本HP、東芝、富士通のハードメーカー9社が登壇。そこで行なわれた公開質問では、「2016年のPC事業の販売計画は前年比10%以上の成長を見込んでいる」との質問には、7社が○と回答。「タブレットの出荷計画は前年比で50%以上を見込んでいる」との質問には8社が○と回答した。
イベント性の強い会場での公開質問だっただけに、現実的にはそこまで楽観できないという声があるのも事実だが、成長戦略を描いているメーカーが多いことは明らかだといっていいだろう。
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