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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第341回

スーパーコンピューターの系譜 SIMD+MPPで設計された「GF11」

2016年02月01日 11時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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QCD計算の専用機としては成功したが
それ以上活躍することはなかった

 ソフトウェアを含めシステムが全部揃ったのがおおよそ1989年であり、そこから2年間はUp/Down/Strageという3つのフレーバーを持つクォークと反クォークだけを使って、11個のハドロンの質量を求めるという計算を行ない、実験値と比較してQCDによる計算が正しいという論文を出している

 1991年から1995年にかけては、さらにGF11を利用して広範なQCDの計算をしている。この際には、448プロセッサー構成で2年間連続して計算しており、当時としては間違いなく最長の科学技術計算であった。

 この結果は1996年2月のScientific Americanの記事で解説されている。なお、Weingarten博士はこの仕事により1997年にAneesur Rahman Prizeを受賞している。

 以上のことから、当初の目的であった「QCD計算用の専用機」としては成功したGF11であるが、計算が一段落した1995年というのはもうQCDOCの開発にかかっていた時期でもあり、結局のところGF11はそれ以上活躍することはなかったらしい。

 GF11のアーキテクチャーやその上で動いていたソフトウェアについても、他に移植するにはあまりにGF11が特異すぎて、移植よりも書き直したほうが早いという評価だったのは無理ないところである。

 プロジェクトとしては成功したGF11であったが、その成果はどこにも引き継がれることなく、ひっそりと幕を下ろしてしまったのはやや残念なところでもある。

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