セールスフォースやさくらとの提携、“C~F”までのサービス拡充!
ベンダーの垣根を越えた「みんなのSORACOM」が止まらない
1月27日、IoT向けの通信サービスを手がけるソラコムはプライベートイベント「SORACOM Conference "Connected."」を開催した。基調講演に登壇したソラコム代表取締役 社長の玉川憲氏はユーザー事例やパートナー戦略、そして新サービスなどをまとめて披露し、相変わらずの怒濤の進撃ぶりを聴衆にアピールした。
社会インフラやスタートアップ、一般企業まで事例が拡がる
事例ビデオの上映後、壇上に姿を現わしたソラコム代表取締役 社長の玉川憲氏は、SORACOMプラットフォームの概要を改めて説明。将来的に250億以上のデバイスがつながるというIoTの世界を実現すべく、電力消費やインターネット接続、セキュリティなどの課題を払拭するプラットフォームとしてSORACOMサービスの存在意義を強調した。
ソラコムは2015年9月30日に従量課金型のIoT向け通信サービス「SORACOM Air」、デバイスのセキュリティ処理をクラウド側にオフロードする「SORACOM Beam」を発表している。「従量課金型で、スモールスタートできるので、失敗のコストを抑えることができる。コンソールから運用管理できるほか、APIを介して通信をコントロールできる」と玉川氏はサービスをアピール。昨年の発表以降、日経BP、CNET、TechCrunch、Forbesなどのアワードを総なめし、ユーザー・パートナーはすでに1500に拡大しているという。
4ヶ月のキックスタートぶりを披露した玉川氏は、次にさまざまなユーザー事例を紹介する。たとえば冒頭のビデオに登場したSafecastでは、ボランティアにSORACOM SIM入りの放射線センサーを配布し、信頼できるオープンデータを作っている。また、パルコではイベント会場にカメラを設置し、参加者の性別や年齢情報をセキュアにクラウドにアップロードし、顧客分析に活用。また、車載という分野では路線バス(北海道の十勝バス)や除雪車(会津のデザイニウム)にSORACOM SIMを搭載し、リアルタイムに位置情報を把握しているという。社会インフラ系のIoT事例で多くの実績を挙げているようだ。
ソラコムがイネーブラーとして特に重視しているスタートアップでの活用も増えている。遠隔から家の鍵を開けるスマートロックの「Akerun」(フォトシンス)や、介護向けセンサーサービスの「LiveConnect」(Z-Works)、ユーザー同士で子供の見守りネットワークを作れる「otta」、高齢者のためにTVで動画・写真試聴が可能な「まごチャネル」など、さまざまなサービスでSORACOMが活用されつつあるという。
一般企業でもSORACOMは活用されている。玉川氏は、臨時店舗などで簡単に決済が行なえるタブレット用の「Airレジ」(リクルートライフスタイル)や自社のマニュアル作成ツールを端末/SIMまでをワンパッケージ化した「TeachMe Biz」(スタディスト)などを紹介。その他、FAXやスキャナなど事務機器のメンテナンスで活用するキヤノン、店舗システム用のバックアップ回線としてSORACOMを導入した東急ハンズ、訪日旅行者向けのSIMサービスの運営を自動化しているeConnect Japanなどユニークな事例がどんどん増えている状況だという。
こうした垂直的な立ち上がりが実現した背景には、昨年のサービスと同時に発表されたパートナー制度「SORACOM Partner Space(SPS)」がある。こちらも4ヶ月で117社のパートナーが申請済みで、実績のある認定パートナーもすでに21社に上るという。SPS認定済みのデバイスはゲートウェイ、ルーター、モジュール、カメラ、車載デバイスなど30種類以上。今回はYahoo! JAPANの「myThings」との連携が発表され、2月からはmyThingsと連携するチャンネルとしてSORACOMが追加される。
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