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新サービスのコンセプト、開発やイベントの舞台裏をがっつり聞いた

卒業から1年!玉川さん、スタートアップを楽しんでますか?

2016年03月04日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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キラ星のように昨年後半のIT業界の話題をさらった国産IoTプラットフォーム「SORACOM」。代表取締役社長の玉川憲さんがAWSを卒業した記事を書いたのはもう1年前だ。今回は玉川さんに激動の1年を振り返ってもらうと共に、新サービスのコンセプトや次の高みについて聞いてみた。(以下、敬称略)

盛況だったソラコムイベントの舞台裏を振り返る

ASCII大谷:先日はSORACOM Conferenceの方、おつかれさまでした。

玉川:記事の方、ありがとうございました。僕たちを応援してくれているサポーターの声に応えていこう、きちんと情報を伝えていこうとセッションを作っていったら、あんな大きなイベントになってしまいました。正直、1ヶ月前でもあんな形になるとは思っていなかったし、固まったのは1週間前(笑)。基調講演の時間が足りないという声もありましたね。

ソラコム 代表取締役社長 玉川憲さん

ASCII大谷:4ヶ月間、すごい勢いで突っ走ってきたと思うんですけど、玉川さんの目から見た想定の範囲内と予想外ってどんなところだったんですか?

玉川:想定範囲内という意味では、お客様の数。すでに1500を超えるお客様にご利用いただいており、予想通りの伸びです。一方で、パートナーはすでに120社を超えていて、これは予想より速いです。デバイスメーカーさんの注目度の高さも予想以上でした。

ASCII大谷:なるほど。大手ベンダーとの提携や大企業での採用も多かったですよね。

玉川:みなさん、いい意味で腰が軽くなっているなあと感じます。clodupack(アイレット)やクラスメソッドなどはもともと連携もしやすいし、意思決定も速いので理解できるのですが、日立製作所やNEC、NRIなどがいち早くSORACOM Directに賛同いただいたのは驚きです。そのほか、大企業での事例の速さなどは本当に予想以上でした。先日のカンファレンスでも計算してみると、1事例あたり20秒くらいで紹介しないといけなかった(笑)。全部面白いので紹介したかったんですが、泣く泣く5件くらい削りました。こういった事例の件数はもっと加速させたいです。

ASCII大谷:昨年のSORACOM Developer Conferenceも盛況でしたね。

玉川:ビールがあったせいもあるんでしょうけど、用意した150のイスは全部埋まりました。大企業の新規事業開発の方とか、背広の方も多くて、初期のクラウドコミュニティに似た雰囲気ですね。でもあけてみると、デバイスメーカーさんが多いせいか、クラウドのコミュニティとはちょっと違った雰囲気です。

ASCII大谷:デバイスメーカーさんたちの鼻息にはびっくりしました。

玉川:デバイスメーカーの人たちも、一昔前のクラウドのように市場が変わる予感を感じているんだと思います。コンピューターの世界だと、ホストからIAサーバーに移り、そこからクラウドに移る流れがありました。デバイスの世界でもそんな予兆は出ていて、3Dプリンターやラズパイ、ドローンなどの新しいデバイスが出てきた。その波に伸るか反るかは、非常に大きい判断。そんな中、ソラコムを頼れるパートナーとして選んでくれたのかなと思っています。

ソラコムのスタートダッシュが実現した理由とは?

ASCII大谷:スタートアップながら、これだけスタートダッシュが好調だった理由はなんなんでしょうか?

玉川:やはりステルス時点から興味を持っていただいている方のリードを集めていましたし、それを用いてリリース前にNDAベースでサービスを触って頂くプライベートβを実施していました。また、リリース時のイベントでも名刺はかなり集めました。メディアの記事から流入した問い合わせもあったので、それらをCRMで管理していました。メンバーも30・40代で経験を積んでいるので、スタートアップらしからぬ老獪さがあります(笑)。若さだけで攻めているわけではないです。

ASCII大谷:イベントで意外に思ったのはIoT、スタートアップ、新規事業というある意味予想通りのカテゴリのみならず、いわゆる業務システムでの事例やパートナーが多かったことですね。

玉川:そこはわれわれも発見があって、IoTという言葉にこだわる必要もないかなと。従量課金で、スモールスタートで、スケールできて、プログラマブルで、運用が楽というSORACOMのメリットは、プラットフォーマーより、お客様の方が知っている。使い方がお客様にディスカバリされていく。拠点通信のバックアップで使うという東急ハンズの事例も、長谷川さんが「こんなんに使えるんちゃう?」とアイデア出してくれたもので、そういうところはけっこうあります。

ASCII大谷:先日のイベントでトヨタさんの講演聞いて思ったんですけど、彼らもIoT的な取り組みはずいぶん前からやっていたけど、SORACOMの登場でコスト的なメリットを得られたのは非常に大きかったのかなあと。その点で、ソラコムって「これからやろう」という人だけではなく、「今までうまくいかなかった」というユーザーにとってのイネーブラーにもなっていくのかなと思いました。

玉川:私もそう思います。大企業の場合、やはり大規模に始めなければいけないので、複雑になり、非線形にコストが伸びるんですよ。その点、SORACOMのプラットフォームはシンプルに作っているので、使ったら使った分、コストは線形にしか伸びません。あとはスピード感ですかね。今後、AWSやAzureがすごいサービスを出してくるかもしれないけど、ソラコムはそれに対してきちんと新機能を出していくんでしょうという期待もあるのかもしれません。

ASCII大谷:確かにソラコムだったら、やってくれそうです。

玉川:テレマティックスにとどまらず、今後いろいろなIoT的な取り組みがスタートしていきます。そういったプレイヤーは別に通信がやりたいわけでもないので、クラウドと通信が一体化した方がいいに決まっている。絶対に早いし、安いし、うまい。ベンダーが考えなくても、お客様はその価値をきちんと理解してくださっていると思います。

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