実用性が正義ならvivofit 2がいい
vivofit 2には機能面での不満はほとんどありません。もちろん心拍センサー付きの方が、カロリー消費量など、より正確なデータをモニターできます。でも、現在主流の光学式センサーは、受光面を皮膚に密着させる必要があるため、長時間装着すると、密着した部分がかゆくなったり、かぶれたり。電力消費量も大きいので、長くても1週間程度のインターバルで充電しなければならない。それで段々と面倒になってくる。
優秀な活動量計とは、そうした面倒を感じず、意識しないうちにデータだけが残っているものだろうと思います。vivofit 2も最初のうちは、若干大きさが気になりますが、装着しているうちにそれは慣れてきてしまう。着脱を意識しなくて済むため、次第に身体の一部としてなじんできてしまうのかもしれません。
意識しなくて済む理由は、ハードのタフさも挙げられます。GARMINはGPS関連のエレクトロニクス・メーカーとして実績を持つメーカーで、アウトドアで使われる電子機器の機構設計には、相当なノウハウがあるはずです。それはウェアラブルガジェットでも同じでしょう。
機能第一。頑丈無比。言い換えますと、なんというかこう、どうにもこう垢抜けないというか、たとえばオプションで様々な色のリストバンドが用意されているわけですが、どれもアウトドアグッズ然とした色調で、JAWBONEやMisfitなどのゴージャスウェアラブル路線を見ていると、これはどうなんだろうと。このあたりもいままで手が出なかったわけです。
しかしながら、寒い冬の朝は、洗練されたコーディネイトよりも防寒性能の高さが正義です。ミケランジェロのコートより、モンベルのダウンジャケットのほうが偉い。装着中に防水性能や機構設計上の難を意識することなく使えるのは、この上なく快適なものであるとお伝えして、この項を終わりたいと思います。
著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ