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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第338回

2016年はプラットフォームを一新する大きな年 AMDロードマップ

2016年01月12日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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2014年~2017年のAMDプロセッサーのロードマップ

CarrizoコアのSoC
Bristol Ridge

 ここから先は未来の話である。そのSocket AM4に対応した最初のCPUはBristol Ridgeというコード名になることがCESで明らかにされている。ベースとなるコアはCarrizoであることも明示されている。

 Bristol Ridgeのベースとなるのは、昨年10月にAMDが組み込み向けに発表したMerlin Falconである。

Bristol RidgeのベースとなるMerlin Falconこと組み込み向けAPUのAMD-Rシリーズ。ハイエンドの「RX-421BD」はCPUが2.1GHz/3.4GHz、GPUが800MHz動作で、TDPは35Wに納まっている

 これはExcavatorコアに8CUのGCNコアとディスプレー、さらにサウスブリッジ機能まで統合したSoCである。組み込み向けなのでそのまま使うことはできないが、ここからサウスブリッジの機能を除き、PCI Expressをx16レーンに強化し、おそらくは2次キャッシュも4MBくらいに増量するのは大した変更ではない。

 GPUの動作周波数は、現状よりもう少し引き上げてGodavari同様の866MHzか、ひょっとすると1GHz近くまで引き上げられるかもしれない。消費電力的にはこれは可能な範囲と思われる。

 ただし絶対的な動作周波数は、Godavariよりむしろ落ちるだろう。理由は連載294回で説明した通りである。

 Excavatoコアは、Kaveri/Godavariで利用されたSteamrollerを低消費電力向けにチューニングしたコアなので、ある程度以上動作周波数を引き上げると、Steamrollerよりも消費電力が増えてしまう。せいぜいが3GHzそこそこといったあたりだ。

 Piledriverが有利なのはコアあたり15W(つまり4コアで60W)あたりまでで、その時点での動作周波数は定格の90%前後である。

Carrizoが採用するCPUコアExcavatorの概要。ある程度以上動作周波数を引き上げると、Steamrollerよりも消費電力が増えてしまう

 Godavariベースの「A10-7890K」を基準にすればベースが4GHzだから、Bristol Ridgeはせいぜいが3.6GHzあたりで、実際はもう少し低い(3.4~3.5GHz)かもしれない。それにも関わらず、トータルの性能は悪くないだろう。これはDDR4-2400までをサポートすることによる。

 メモリー帯域の改善は特にGPU側には効果的で、GPUの性能はGodavariベースの「A10-7890K」よりも明らかに改善するだろう。CPU性能にはそこまで大きな効果はないかもしれないが、逆に言えば大きく性能が落ちることもないと思われる。

 そもそも現在のAMDのAPUの場合、CPU性能よりはGPU性能が大きなセールスポイントであるし、消費電力が下がるならその方がメリットは大きいと思われる。

 当然ながらこのBristol RidgeベースのAPUは、ハイエンドのA10以外にA8/A6などの派生型が同時に発売されると思うが、現状そのあたりの詳しい情報は入っていない。

 ただ、これにあわせてAthlonのラインナップにもBristol Ridgeベースの製品が投入されるらしいという話は聞いている。実際問題としてこれは単にAPUを無効化するだけでいいから、投入は容易だろう。

 不明なのは投入時期である。CPUそのものはもうとっくにテープアウトしているはずで、すでに量産に入っている可能性すらある。技術的に難しい要素はないので、3月の投入そのものは可能であろう。

 ただし後述するAM4の本命であるSummit Ridgeが2016年末と予想されるだけに、3月に投入は早すぎるという気もする。ロードマップの図にはそんなわけで3月としている(Bristol RidgeベースのAthlonは1ヵ月遅らせて4月とした)が、実際にはそれぞれ6月/7月の可能性もある。

→次のページヘ続く (Zenコア採用のSummit Ridge

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