先週はサンフランシスコから飛んできて、東京で1週間過ごしていました。しかしながら、金沢、長野、旭川と国内を出張する機会が多く、移動の多い1週間となりました。紅葉の金沢と、一晩で30cm近く雪が積もった旭川の落差たるや。さすがに朝、旭川に降り立ったら気温がマイナス10度だったのには驚きました。完全に冬、ですね。
飛行機も新幹線も、基本的には座席に座っているので、作業をしたり本を読んだり、あるいは夜遅い移動であれば仮眠をとったりと、乗り込んでからは移動に関しては気にすることがなくなってきました。
最近では飛行機でもWi-Fiが利用できて、JALの羽田―小松便ではちょうどキャンペーン中で無料でWi-Fiが使えました。筆者は使えても使えなくてもどちらでもいいという考えなのですが、「飛行機の中くらいは、つながらなくてもいいんじゃないか」と考えている方も少なくないようですね。
サンフランシスコからの機内では
いきなり、iPad Pro×3台の洗礼
さて、国内移動が多い今回の出張でしたが、サンフランシスコからの機内で少し衝撃的な光景が広がっていました。筆者が座った座席は2-3-2のシートだったのですが、ふと左を見ると、横に並んでいる3人ともが、最新のiPad Proを広げているではありませんか。偶然とはいえ、揃いも揃ってiPad Proとは……。映像を楽しでいるのか、機内のWi-Fiにつないでいるのか、何かを読んでいる様子でした。
呆気を取られた理由は、その3人が12.9インチの大きな画面を手に持っているという点。普段知っているディスプレイサイズよりも明らかに大きく、縮尺の違う光景に違和感を感じずにはいられませんでした。また、ビジネスクラスやファーストクラスでない限りは、自分が持っているディスプレイの方が、機内エンターテインメントの画面よりも断然大きいし、拡大縮小も自由自在。ただ、横に構えて映像を見ようとすると、ちょっとエコノミーでは窮屈かもしれないとは思いました。
眼前のiPad Proと対峙する
さて、新しいデバイスが登場したら、ひとまず自分の仕事をそのデバイスでこなせるか、1週間過ごしてみるというのが筆者の中での恒例となっています。できるだけ、体験をお伝えするよう心がけながらこの仕事をしてきて、10年も経ちます。もうすぐ2015年も終わりそうですが、ずいぶん長くやってきたものです。
さて、この原稿は、そんな衝撃的な光景を形成していた、iPad Proで書いています。
12.9インチのRetinaディスプレイを搭載した大型タブレットは、サイズの小さなiPad Air 2と比較するともちろん大きく重たいのですが、実は初代iPadと同じ程度の重量。同じサイズのディスプレイを持つのはApple製品ではMacBook Airの13インチモデルで、これと比べると当然軽さは際立ちます。
もう少し、今の状況を補足すると、キーボード付きのカバーSmart Keyboardを接続し、「ミュージック」アプリでヒップホップのプレイリストを鳴らしながら、Mac版も用意されているMark Downだけをサポートするシンプルなテキストエディタ「iA Writer」を使ってこの原稿を書いています。
Smart Keyboardを使う場合、横長にしか利用することができないため、どうしても「べたー」っと文章が横に伸びてしまう点以外は、キーボードでのタッチタイピングも含めて、快適に原稿を書き進めることができています。なんでしょう、この違和感が何もない感覚は……。
iA Writerというアプリは、文章を書くことに集中するため、Macでも全画面で使おうとすると、真っ白、もしくは真っ黒の画面の中で文字だけを書き進めていく、というミニマリズムを貫くエディタです。そのため、それがiPad Proになろうが、全く同じ体験をこなすことができるのは想像にたやすいことかもしれません。
特に違和感を感じないのは、iPadなのにMacと同じキーボードショートカットが使える点もあります。コピーやペーストといったテキスト編集に加えて、command+tabで起動中のアプリに即座に切り替えたり、command+spaceでSpotlight検索を起動できたりと、アプリ外でのMacの挙動を踏襲している点も、違和感が薄い原因だと考えられます。
(次ページでは、「iPad Proは当面すべてはアプリ次第」)
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