データベースソフトウェア「FileMaker」を開発しているファイルメーカーが11月27日まで、「FileMaker カンファレンス 2015」を開催した。
FileMakerの最新バージョンは5月リリースの「FileMaker Pro 14」。スクリプトや計算式を効率的に作成し、埋め込むためのワークスペース「スクリプトワークスペース」の追加や、Androidタブレットなどのモバイルデバイスから、ブラウザーを通してFileMakerで作成したソリューションにアクセスできる機能(Web Direct機能の強化)、よりモダンで簡潔なデザインなどが主な変更点。また初代FileMakerの発売から30年となる記念すべきバージョンでもある。
カンファレンスの開催に合わせて来日した社長のビル・エプリング氏、エンジニアリング担当副社長のフランク・ルー氏、プロダクトマネージメント・マネージャーのリック・カルマン氏に、FileMaker 14の見どころや市場の反響、今後の展開などについて広くきいた。
FileMaker 14、過去最高の売り上げ目指せる
ーー FileMaker 14の発売からしばらく経ちました。感触はどうですか?
ビル「非常にいいです。契約者数が史上最高です」
ーー 2013年発売の「FileMaker 13」の売り上げが非常によかったと耳にしましたが、それを超えそうですか?
ビル「超えると思いますよ。FileMakerは月額換算で1050円からのサブスクリプション版と、3万8000円のライセンス版とを併売していますが、特にサブスクリプション版の方が好調です。新規購入/契約だと、およそ84%のユーザーがサブスクリプション版を選びます」
ライセンス販売は需要があるから残している
ーー ほかの企業さんの話になってしまいますが、アドビシステムズのCreative Cloudは数年前に買い切り型のライセンス販売をやめて、サブスクリプションに一本化していますよね。FileMakerもサブスクリプション版に一本化する計画はありますか?
ビル「もちろん、他社のビジネスモデルを気にしないということはないのですが、我々としては需要がある限り、このかたちを残しておきたいんです。ライセンス販売の方が都合のよい、84%に入らないユーザーがいるということなので……需要がある限りは、選択肢として残したい。この比率がもっと大きくなってくると、もしかしたらライセンス販売はやめなめればいけないときが来るかもしれませんが。いまのところはないです」
ーー 売上から見ると、サブスクリプション契約の比率はどうなのでしょう?
ビル「現在FileMakerの利益の大部分は、サブスクリプション版とメンテナンスによる売上で成り立っています。サブスクリプション版は、年間でみるとライセンス購入時の3分の1ほどの料金で利用できるので、その分、短期のあいだに入ってくる収益は少なくなります。ですが、契約者数が大きいので、長期的に見ればこちらのほうが業績から見てもいい結果になるでしょう。たくさんのユーザーが常に一番新しいFileMakerを使ってくれるのは、我々にとってもうれしいことです」