格安SIMの一般的な「面倒くさそう」という印象は、残念ながらまだ払拭できていない。筆者のまわりでも格安SIMを検討する人はたくさんいるが、多少安くなっても面倒さを考えれば乗り換えないと考える人もいる。
しかし、筆者は最近「むしろ格安SIMは時間を節約できるのではないか」と感じている。なぜそう思うのか、そして実際にどうなのかを考えてみた。
格安SIMは手続に時間がかからない!
約1~2時間の節約に
格安SIMの導入に既存キャリアのような時間はかからないことは非常に大きなメリットと言えよう。
たとえば加入時、データ通信用で、SIMカード同梱のパッケージを買ってくるタイプならば店で物を買うように加入できる。かかる時間は、レジの待ち時間と、アクティベートする手続の数分だけ。通販で買うなら、店に出向いたりする時間すら不要だ。
音声通話用SIMだと、MNP、純新規契約を含めて、パッケージを買っても後からSIMを送ってくるタイプなので、数日待つ必要があるが、拘束される時間はというとほとんどない。
開通手続はネットで行なうため、身分証明書のコピーを用意する必要があったりするが、最近はスマホのカメラで撮影して送信してもOKな場合が多く、コピーやスキャンの手間さえいらなくなった。
MNPの場合、以前ならば回線を切り替えてSIMを送ってくることがほとんだったが、最近は番号入りSIMが届いてから回線を切り替えるようなタイプが多くなり、ネットでMNPの乗り換えを申込んでも電話番号が使えない空白期間がなくなった。
これが既存のキャリアになれば、加入は(公式オンラインストア以外では)基本的に実店舗となる。仮にまったく混雑がなく、来店してすぐ手続してくれたとしても新規加入ならば最低でも30分、特に説明が必要なプランやオプションがあれば、混雑がなくても2時間近くかかってしまうこともある。
待ち時間ゼロというのもあまり考えられず、月末に近づくにつれ待ち時間は非常に長くなる傾向にある。
キャリアもネット上のオンラインショップを使えば待ち時間なしで手続できなくはないが、基本的には機種購入時のサービスとなる。
ただし、これはあくまで自分である程度できる人の場合。格安SIMでも機器購入ができる実店舗では、既存キャリア並みに待ち時間がかかっている。どうやらサポートの有無が待ち時間の長さに直結していると言えそうだ。
回線速度が遅いことによる時間の浪費は
実のところあまりないのではないか?
過去に何度も速度計測しているが、全体的な傾向で見れば、ドコモの回線を使った格安SIMよりもドコモと契約した純粋なドコモ回線のほうが速度が出ている傾向にある。
しかし、速度計測のようにまとまった大容量データをダウンロードすることはないため、実際の利用で、計測した速度数値ほど速度差を感じることはないないと言っていいだろう。
違いがあるとすれば、混雑時に200~300kbps程度まで落ち込んだ場合。格安SIMの事業者によって大きく異なるが、昼休みの12時30分から13時までや、夕方から夜にかけての混雑時間に極端に落ち込む傾向がある。それを避ければほぼ時間の無駄はないと言えよう。
(次ページへ続く、「機器トラブルが起こった場合はキャリア対応が圧倒的に時間節約となる」)
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