ツクモパソコン本店4Fの特設会場で、GIGABYTEとリンクスインターナショナル主催による「極冷OC指南イベント」が開催された。
これは、GIGABYTEのオーバークロックマザーボード「GA-Z170X-SOC Force」の発売を記念して行なわれたもので、プロオーバークロッカーの清水貴裕氏をゲストに迎え、液体窒素を使った極冷オーバークロックを実演した。
イベントでは、Skylakeこと「Core i7-6700K」をオーバークロック。マシンをセッティングしながら、液体窒素でCPUをマイナス100度近くまで冷やすのは、低温環境下で電気抵抗をゼロにする「超電導」の状態に近づけるためで、CPUの発熱を逃がすのが目的ではないと清水氏は説明した。
マシンが冷えたところで、定格4GHzの「Core i7-6700K」を、まずは5.4GHzにオーバークロック。この時のCINEBENCHのスコアは1199。すこしずつクロックと電圧を上げていき、イベントでの自己ベスト記録である5.8GHzに挑戦。結果、CINEBENCHが1281で完走。さらに上のクロックを試すことになった。
ここからは清水氏も、競技さながらの真剣な眼差しでオーバークロックに挑む。5.9GHz、6GHzとクロックを上げていき、最終的に電圧を1.8Vに設定し、6.1GHzでの動作に成功した。この時のCINEBENCHのスコアは1336だった。
次に6.2GHzに挑むものの、すでにオーバークロックの設定は限界にまで達していた。というのも、Skylakeは電圧を1.9V以上にできないため、これ以上の記録に挑戦するなら電気抵抗を下げるためにCPU温度を下げるしかない。
ところが、この時点でCPU温度はマイナス170度。これ以上冷やすと、凝固したグリスがパキッと割れて急激に熱が伝わらなくので、温度もこれ以上下げられない。
つまりこれ以上、電圧も温度も変えられないのだ。そこで、電圧1.8V、マイナス170度での6.2GHz駆動に挑戦してみたが、あえなくPCがフリーズしてオーバークロックデモは終了した。
6.2GHzは達成できなかったものの、イベントにおける自己記録を大きく更新し、大満足の清水氏。ここまで限界に挑戦できたのも、GIGABYTE製マザーボード「GA-Z170X-SOC Force」の耐久性が高いうえ、極冷の設定と作業性が向上したからだという。
イベント終了後に「記録に挑戦するのは楽しい。このイベントをきっかけに極冷に足を踏み入れる人が増えるとうれしい」と清水氏は語ってくれた。