定番のT-Mobileがやっぱり優秀
では、問題の通信速度はどうだろう。今回はベルリンのシンボルであるブランデンブルク門のほど近く、陸の玄関口であるベルリン中央駅(ドイツ語でハオプト・バーンホフと言い、HbFと省略する)のフードコート、そしてメッセベルリンからわずか2駅の、シャルロッテンブルクエリアのホテルで計測をした。計測結果は次の通りだ。
ブランデンブルク門
- T-Mobile: 7.88/1.27 Mbps
- Vodavone: 3.41/0.41 Mbps
- O2: 6.70/0.84 Mbps
HbF フードコート
- T-Mobile: 7.42/0.82 Mbps
- Vodafone: 8.94/0.61 Mbps
- O2: 2.32/0.13 Mbps
ホテル(23時30分頃)
- T-Mobile: 8.30/1.01 Mbps
- Vodafone: 11.67/2.05 Mbps
- O2: 5.10/1.13 Mbps
最大手のT-Mobileが下り7~8Mbpsの数値で全体的にまとまっていた。場所を選ばずに安定的な通信が可能なようである。夜間のホテルではVodafoneが11.67Mbpsと健闘するものの、街の中心であるブランデンブルク門では3.41Mbpsと一歩引いた数値となっている。O2は全体的に控えめな数値で、ベルリンのソウルフードであるカリーヴルスト(焼きソーセージにケチャップベースのソースとターメリックパウダーを振りかけたもの)をつまみながら計測したHbFフードコートでは、2.32Mbpsという少々残念な結果になった。
上りに関しては各社とも0.5から2Mbpsで推移している。スマホの写真をSNSへアップロードする位なら問題は無いだろうが、大量のデータをアップロードするとなるとちょっとしんどいかもしれない。唯一の例外はO2のHbFで、これだけ0.13Mbpsというかなり厳しい数値となった。下の数値も振るわなかった事から、電波自体が弱かったと言えるだろう。中央駅の食事スペースという一番データ通信に適した場所でコレはよろしくない。これだけでも選択しない理由になってしまうだろう。
実際に比較して見た感想としては「安定の元国営・最大手」という言葉に尽きる。この辺りはNTTを母体とするドコモが強力なバックボーンを保有するという、日本と変わらない構図だ。むしろ日本ではauがドコモに負けず安定した回線を保有しているので、ドイツはT-Mobileの安定感・唯一感がより一層際立つ。
また、今回唯一のLTE通信が可能だったVodafoneに関してだが、実感から言うと「あまり期待しない方が良い」。そもそもプリペイドプランでは最大速度は21Mbpsに制限されている上に、実際に街を巡ってみると残念ながら結構な確率でLTE電波を掴み損ねていて、3G通信表記を見る機会が多かったと思う。
筆者が次回ドイツへ渡航する際にどのキャリアを選ぶかと問われれば、おそらく答えは「T-Mobile」だ。その時にはデータプリペイドSIMでももっと高速な通信ができることを期待したい。