第1回、第2回と続けてきたスティックPCの実験的冷却特集も最後となる第3回である。
基本低予算で進めてきたので第3回も低予算ながら、遊べるプランを考えてみた。巨大ヒートシンク、ケース自作に続いてなので、ロマンを優先した冷却手段を考えたい。
そう思って、とりあえず、編集部には超空冷にするとだけ伝えて、サーキュレーターでサンドイッチにして冷却性能をギュンギュンにアップさせるか、もしくは高回転の12cmファン×4くらいでドローンよろしく飛翔させるなどを考えたが、予算的な問題と衝突してしまったので、いっそのこと1000円以内でロマン溢れる冷却をしてみることにした。
こういうときは家で考えるよりも、東急ハンズやダイソーをウロウロしながら検討したほうがよい。とりあえず、ダイソーをウロウロしてみたところ、容量1リットルのガラス瓶(蓋付き)を発見した。しかも、フタにはパッキン付きときている。
そして手元には買い足したばかりの日清キャノーラ油。ということもあり、第3回では、お手軽な油没にトライしてみよう。
必要予算は1000円程度で済む
ダイソーで購入したものは、ガラス瓶(1L)と、撹拌のためのみそとり棒のふたつ。価格は合計で300円になる。油は前述のとおり日清キャノーラ油で、これは258円で購入した。購入が必要になったものは、その3点だけになる。
下の写真のように第2回で取り付けたヒートシンクを流用しているが、追加でヒートシンクを購入するにしても、1000円と少し程度で済む。またヒートシンクは装備させなくても問題なさそうでもあるので、そのあたりは予算次第だ。
ガラス瓶でスペースを確認したので、まずはフタに穴を開ける。フタは150円ながらパッキン付きの優れたもので、300円でもいいだろうと思ってしまったが、ともあれリューターでゴリゴリと削る。
HDMI延長ケーブルとmicroUSBケーブル、USB延長ケーブルを束ねた分を通過するだけでいいので、もっとも大きいHDMI延長ケーブル端子のサイズに合わせた。
また自然対流で大丈夫そうな予感もしていたが、念のため、撹拌棒を通す穴も開けている。撹拌棒はみそとり棒を分解して、その代替とした。
油について
今回はキャノーラ(菜種)油を使用しているが、油の種類によっては電装系に影響を及ぼす可能性があるほか、消防法に従った保存が必要になる冷却液も存在しているため、トライする場合にはその辺の下調べは慎重に行なってほしい。
油没ではなく液没もお手軽にできるが、スーパーコンピューターの冷却にも使われる定番の液体「フロリナート」はとても高価なので、実験後の清掃はやや手間だが、スーパーで購入できる日清キャノーラ油などがもっとも無難だと思われる。当然だが、自己責任となるので、実践して機器が故障しても編集部では一切責任を負わない。
→次のページヘ続く (ルンルン気分で油を注ぐ)
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