このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

スティックPCで楽しむ実験的冷却 第3回

最後なんで「Compute Stick」を油風呂に漬けて冷却してみた

2015年10月15日 12時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax) 編集●北村/ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

OCCTの負荷を24時間耐えた!

 油没状態での常用性が気になった。スティックPCを長時間使用することはあっても、高負荷が長く続くシーンはあまりない。CPUの非力さもあるので、動画やブラウザーゲーム中心だと、スティックPCとしては数少ない高負荷状況が続くものと思われる。

 そこで、OCCT 4.4.1をエラーで計測終了するまで実行してみた。最終的には24時間耐え、かつエラーで終了もしなかったため、テストを中断した。

 ソースとしてはおもしろいものなので、OCCT 4.4.1から出力されるグラフをすべて掲載しておこう。グラフを見てみると、53~54度付近をウロウロしたあと、日中に温度が下がっている。

 これは気温が思ったよりも下がってしまったのと、日中ならば温度変化はそうそうないだろうと空調をオフにして昼寝してしまったためだ。

 そのため下のグラフはフラットな温度は夜間、温度変動環境下は日中としてみてほしい。ガラス瓶のおかげか、放熱もうまくいっているようで熱が溜まっている様子もナシと、ローコストながらイイ感じだとわかるはずだ。

Core #0のグラフ

Core #1のグラフ

Core #2のグラフ

Core #3のグラフ

ブーストクロックを見ると、1.58GHzをキープしているが、ときおりアップダウンが起きている。なぜか、20時には2GHzと計測されている(もしかして伸びしろがあるのだろうか……)

CPU使用率を見ると、98%付近であることが多い印象だったが、グラフでみると変動は激しいものだった

バスの変動も他のグラフと見比べると楽しい

OCCTのみ起動した状態でのメモリー使用率の変化

 また発見としては無線LANがある。デフォルト状態では無線LANが規格値通りに動いていない、つまりCPUの温度はそれほどでもないのにウェブサイトの表示がもたついたり、NASからのファイル転送速度が遅かったりした。

 油没状態にしてみたところ、そういったストレスを感じる部分が解消されていたので、油没をしない場合でも、無線LANユニットなどに小型ヒートシンクや、放熱シートを貼っておくのは効果的である可能性が高い。

 問題があるとすれば、油の酸化くらいだ。お手軽な組み立て方法になるので、密閉性と液体を吟味することで、たまのメンテナンスで使用できる油/液没スティックPCにできる可能性はあるだろう。

 お手軽にトライできる油没スティックPCにトライしてみたが、予想を上回る常用性っぷりでなかなか楽しい結果になった。

 もちろん、密閉性を考慮したり、酸化の回避をしたりといったことは必要になるが、スティックPC自体の冷却には油が1リットルほどあればいいので、ロマン度の高さでときどき油没や液没PCを考えていたのであれば、まずはスティックPCでトライしてみてはどうだろうか。今回のようにローコストで実現することも可能だ。

Compute StickはUSBポート×1なので、入力デバイスには「Microsoft All-in-One Media Keyboard」を使用した。タッチパッドと一体型なので、ステック型PCの操作用にオススメだ

追記
7日OCCTを回し続けても問題なし

 24時間の運用を見て、問題なさそうだったので1週間の負荷テストにチャレンシしてみた。OCCTを7日間連続で回し続けたが、なんのトラブルもなくあっけなくクリアした。その時のデータを掲載しよう。グラフは、上記の24時間テストとほとんど変わらない傾向だ。

Core #0のグラフ

Core #1のグラフ

Core #2のグラフ

Core #3のグラフ

ブーストクロック

CPU使用率

バスの変動

OCCTのみ起動した状態でのメモリー使用率

【関連サイト】

【機材協力】

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中