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NTT Com Forum 2015、「Global Cloud Vision」の進捗と今後を語る

「IoTプラットフォーム」も披露、NTT Com庄司社長が基調講演

2015年10月09日 12時30分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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共有型/専有型/ベアメタルを取り込むEnterprise Cloud“次世代基盤”

 このように、NTT Comのクラウド/ネットワーク/セキュリティサービスはGlobal Cloud Visionの下、着実な成長を続けている。基調講演の最後に、庄司氏は幾つかの主要サービスにおける今後の展開計画を披露した。

 まずEnterprise Cloudでは、今年12月から“次世代クラウド基盤”の国内提供を開始する。新たに共有型(パブリッククラウド)と専有型(ホステッドプライベートクラウド)の双方を提供し、ベアメタルやコロケーションも含むそれぞれの環境間をSDNでつなぐものとなり、これまでクラウド化が困難だったオンプレミスシステムのクラウド移行を実現可能にしていくという。

 この次世代クラウド基盤では、各ベンダー製の仮想化/クラウド基盤の管理ソフトウェアが混在することになるが、それらのAPIも含め、サーバー/ストレージ/ネットワーク(SDN)を一体的にコントロールできる、NTT Com独自のAPI/APIゲートウェイも提供する。

 さらに、NTT Comクラウドだけでなく、AWSやMicrosoft Azureといった他社のクラウド環境も含め一元的に管理できる「Cloud Management Platform」も提供予定だと述べた。

Enterprise Cloudの次世代基盤では、より幅広いユーザーニーズに対応し、オンプレミスシステムのクラウド移行を促す狙い

 データセンター間ネットワークの分野では、世界8つの主要都市エリア内にある複数データセンターを1つのデータセンターのように利用できるサービス、世界30以上の遠隔データセンター間を10Gbps/ベストエフォートの閉域ネットワークで接続するサービスが紹介された。後者の「データセンター間広帯域ネットワーク」サービスは、NTT Comクラウド間ならば無料、クラウド-コロケーション間やコロケーション-コロケーション間でも低価格で提供するという。

遠隔データセンター間ネットワーク。世界30以上のデータセンター間を10Gbpsベストエフォートで接続し、需要の高まるデータセンター間通信を安価に提供する

SIMから閉域網、データ分析基盤までワンストップ提供「IoTプラットフォームサービス」

 庄司氏は、IoT分野での新サービス計画についても明らかにした。この「IoTプラットフォームサービス」は、デバイスからSIM、閉域網サービス、クラウド上のデータ収集/分析プラットフォームまでを、NTT Comがワンストップで提供するものだという。

 「安価なM2Mモバイルネットワークと、ArcStarの閉域網を無料のゲートウェイでつなぐ。これにより、インターネットを経由することなく、データセンター/クラウド上のデータ収集分析プラットフォームへ安全にデータを格納できる」(庄司氏)

安価なSIM/M2Mネットワークサービス、VPNを介して安全にデータ収集ができる。M2Mネットワークは188カ国、データセンターも世界140拠点以上が利用でき、各国/地域ごとのデータ保護指令など法規制にも対応可能

 同サービスは来春からを予定しているほか、IoTのトライアル環境を容易に構築できる用途別「IoTトライアルパック」は10月以降順次提供していく予定だ。庄司氏は、車両向けIoTサービスでは複数の自動車メーカーと、製品接続サービスでは家電メーカーなどとの話し合いを始めていると説明した。

 「SIMからデータ分析プラットフォームまで一気通貫、トータルパッケージで提供できることが売りの1つ。(データ分析基盤として)Oracle DBを安く提供できる、またCloud Foundry(Pass)も提供できる」「今年8月にはIoT推進室を立ち上げた。IoTサービスでいくら儲けるかについては、まだこれからの議論。ただし、今後は絶対必要になるソリューションだ」(庄司氏)

NTT Com Forum 2015は10月9日まで、ザ・プリンス パークタワー東京(芝公園)で開催されている

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