1万円台から!? 最新ミニコンポで味わう高音質ワイヤレスミュージック
2015年10月07日 12時00分更新
昔懐かしい顔付きながら100kHzの超高域再生
パナソニック「SC-PMX100」
パナソニックの「SC-PMX100」(実売価格 6万5000円前後)は、CDプレーヤー、FM/AMチューナーを内蔵し、Bluetooth(NFC対応)、Wi-Fi(AirPlay対応)も備える。
機能的には他機種と同様だが、特徴的なのはスピーカー部が唯一の3ウェイ構成ということ。これは、ウーファーとツィーターに、100kHzに及び超高域再生を実現するスーパーツィーターを組み合わせた構成だ。
ハイレゾ音源はリニアPCM最大192kHz/24bitに対応しており、192kHzの場合は理論上は96kHzまでの音が情報として記録が可能。それをすべて再生するために100kHzを実現しているわけだ。
3ウェイのスピーカー配置も現代的なインライン配置(各ユニットが直線上に並ぶ)ではなく、ウーファーの上部にトゥイーターとスーパートゥイーターがヨコに並ぶというもの。
昔の大型モニタースピーカーなどで採用されていた配置で、それを知っている人には懐かしさもあるが、若い人だと古いイメージになるかも。本体部の方も、高音と低音の調整つまみも備えるなど、ボタンやツマミが多めで、これも昔のオーディオコンポ的なイメージがある。
音質のポイントとなるのは、独自のデジタルアンプ「LincsD-Amp III」。サンプリングレートコンバーターによる時間軸方向の乱れの補正に新たな制御アルゴリズムを導入することでジッター補正の能力を向上。
さらに、PWM変換で発生する歪みも補正することで、広帯域での歪みの低い特性を実現している。また、電源部にはAC電源から混入するノイズの影響を遮断できる「バーチャルバッテリー電源」を採用するなど、数々の高音質技術が投入されている。
Hi-Fiを意識した忠実度の高い再生音
ややクールだが描写力は随一
まずはUSBメモリー接続でハイレゾ音源を聴いた。クラシックではたくさんの楽器の音を整然と描き出す。定位感も良好なため楽器の配置といったステージ感も比較的よくわかる。個々の楽器の音色の描き分けや演奏のニュアンスなどもよく出来ているし、低音がゆったりと余裕のある鳴り方なのでスケール感も雄大だ。
ポップスは、ボーカルとコーラスの声質の違いを描き分け、ハーモニーの美しさも十分。忠実度の高いリアルな再現と言えるのだが、色気とか艶っぽさは控えめで、ちょっとクールな印象もある。
ジャズでもドラムの力強い鳴りもしっかりと出るし、立ち上がりの音の反応もいいのだが、演奏者の熱気などの感情的な部分は控えめになる感じ。いわゆるモニタースピーカー的な正確さが前に出た印象だ。
高解像度な表現を追求したのは、100kHzの広帯域やヘッドフォンの情報量の豊かな音に負けないものを目指したと思える。ヘッドフォン主体で聴いている人でも、情報量や解像感の不足を感じないレベルの再生ができている。
Bluetoothでは、音場の立体感や空気感が失われがちになるが、個々の音の描き分けやリアルな再現はそのままで、音質的な劣化などはあまり感じない。解像感の高い感触も十分にある。
伝送時の圧縮で失われがちな高音域を復元する「Bluetooth リ.マスター」も備えており、音色の響きや高音域の再現はかなりのレベルにあると言える。
(次ページに続く、「実売最安でなんと1万円!? 格安Bluetooth対応ミニコンポもある」)
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